大分大と大分医科大が統合に向け、本格的な検討を進めていくことになった。6月に文部科学省が国立大の再編・統合を大胆に進めることを打ち出した「大学の構造改革の方針」(遠山プラン)を発表したのを受け、7月31日に開いた会議で合意した。
両大学は昨年5月、統合のメリットやデメリット、新しい大学の在り方について検討を始めた。全国的には医科大学同士を統合する案もあり、大分医科大側は統合に伴うデメリットが多いと消極的な立場だった。
しかし、遠山プランが医科大学について他大学との統合や地方移管の検討を盛り込んでおり、事実上、地元の国立大学同士の統合以外に選択は困難になった。
7月31日の3回目の会合で、医科大が統合の理念や学部学科再編のたたき台を提出。9月に開く4回目の会合で、両大学が新しい大学像について協議する。まだ統合を前提にしておらず、統合する場合の時期も固まっていない。早ければ03年度予算の政府予算概算要求に間に合う来年夏ごろに結論が出る見通し。
中山巌・大分医科大学長は「国の方針に沿って、両方の大学をただくっつけるのではなく、統合の理念や、これまでより一歩進んだ新しい大学像を考え出した上で検討していきたい」と話している。【足立旬子】
目次に戻る