『南日本新聞』2001年8月24日付
国立大の将来像は? 法人化テーマに論議/河合塾
−衛星使い鹿児島など7カ所結ぶ
国立大学法人化問題をテーマに大手予備校の河合塾は23日、鹿児島市など全国7会場を衛星回線で結び、シンポジウムを開いた。鹿児島高等予備校の会場には高校の進路指導担当者ら約20人が参加。再編・統合計画法人化で国立大がどう変わるのか、熱心に聞き入った。
パネリストは文部科学省大学改革推進室の杉野剛室長、今春から独立行政法人化された奈良国立博物館の杉長敬治副館長など。田中弘允鹿児島大学学長もインタビューに答え、地域における国立大学の重要性を訴えた。
文科省が6月に示した国立大学の構造改革の柱である「国公私“トップ30”に予算を重点配分」「国立大の大幅削減」を中心に議論が進んだ。文科省側は「トップ30は理系、文系それぞれ分野別に決定し、第三者評価機関に判断を委ねたい」「将来的な国立大の数は決めていない。大学間が話し合うなかで大胆な削減をして」と説明した。
甲南高校の進路指導主任(44)は「生徒を送り出す方としては、進学先がどのように変わるのか心配。特に地元の鹿児島大学の行く末はどうなるのか。早く具体像をみせてほしい」と話した。