「がんばれ四国」というエール
2001.8.18 [he-forum 2401] 四国新聞08/07.
『四国新聞』2001年8月7日付
コラム一日一言
四国経済産業局の前総務企画部長、上林匡さんがリポート「南海道共和国の夢」を先月の調査月報に寄稿している。三年間を過ごした赴任地への「がんばれ四国」というエール。
四国経産局は今年三月、「四国連合(仮想四国州)」という提言を発表した。
四国は一つという発想は以前からあるものの、その大方は四県の利害対立で議論が立ち往生した時のオマジナイのようなものでしかなかった。
これに対して仮想四国州構想は中央集権の行き詰まりを見すえ、新しい日本づくりのわく組みの中で構想されたもので、事務局も持ち回りや間借りではなく、常設にして四県連携事業の司令塔を作ろうという提言だった。
しかし各界の反応に熱っぽさはない。各県知事も顔だけは前を向いているものの、「四国は一つ」という具体的な発想ない。「そんなに悠長には構えていられない」というのが上林さんの意見だ。
たとえば文科省が進める「トップ30大学」を選んで世界水準にする構想では四国の大学は候補にも入らない。近辺では神戸、岡山、広島、九州の四つの国立大だけ。こんな四国パッシング現象があらゆる分野で起きそうだ。
これまで通りの中央集権で日本の繁栄が維持できるなら、人材輩出県に甘んじているのもいいだろう。しかしもはや時代は変わった。例えば道路特定財源の一般化に反対を唱えても、それはただの延命措置でしかない。
全国では青森、秋田、岩手の三県知事が道州制を視野に広域連携を表明。七月には長崎、大分、佐賀、熊本の四県知事も道州制研究をスタートさせた。
「南海道共和国」の夢さえ語れない四国に未来はない。
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