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四国の4国立大教育学部統合を 鳴教大、文科省に独自案
2001.8.3 [he-forum 2347] 徳島新聞 08/03

『徳島新聞』2001年8月3日付

四国の4国立大教育学部統合を 鳴教大、文科省に独自案

 鳴門教育大学(溝上泰学長)は、香川、愛媛、高知三大学の教育学部と統合して「四国教育大学(仮称)」を設立する独自の構想をまとめ、二日までに文部科学省に提出した。児童生徒数の減少や独立行政法人化問題などにより、国立教員養成大学・学部の縮小、再編が避けられない状況にあるためで、六月に文科省が打ち出した国立大学の改革方針を受けて作成した。三大学との協議はこれからだが、鳴教大は独自の再編案を「生き残り策」と位置づけ、話し合いに臨む方針だ。
 鳴教大の再編統合案によると、「四国教育大」は学校教育学部と大学院(修士、博士両課程)で構成。<1>教官数は約三百人(現行の四大学・学部計約五百人)で、教官削減は他学部への転出や定年退職などによって実現可能<2>学校教育学部の定員は約五百人(同計六百九十人)とし、幼稚園、小中学校教員の養成に力を入れ、障害児教育など五専攻を設ける<3>大学院の定員は修士課程三百数十人、博士課程十数人<4>開校時期は、最も早くて二〇〇三年四月−とする内容。
 四大学・学部の統合で、大学運営の効率化と教育研究の充実が図られるだけでなく、各大学に蓄積された教育ノウハウも集約される。それによって、三割に満たない四大学卒業生の教員就職率を八割程度に引き上げたいとしている。
 統合によって三県で教員養成大学・学部がなくなる対策として、各県に現職教員が再教育を受けられるセンターを設け、県教委などとの連携の充実を図る。
 鳴教大は、国立大の再編統合を進める改革方針が打ち出された六月の国立大学長会議後、本格的な独自案の作成に着手。全学教官集会で「徳島大と統合」「兵庫、上越両教育大と統合」「鳴教大のみで存続」などさまざまな再編案を検討。七月の評議会で今回の独自案を採択した。
 香川、愛媛、高知の三大学長や教育学部長に独自案を提示しているが、協議には入っていない。
 溝上学長の話 全国の国立大学が存続をかけて他大学との統合などを模索し始めている中、四国全体を視野に入れないと強い体質の大学はできない。あくまでも独自案なので、三大学に話し合いの場を設けていただき、より良い方向を探りたい。
 文科省教育大学室の石井稔室長の話 全国でも四国全体といった広域での再編統合案は初めてだ。四大学の合意がなければ実現できない案なので、合意に向けて十分検討してもらいたい。

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