独行法反対首都圏ネットワーク

7・5国大協臨時理事会議事要録
2001.8.3 [he-forum 2345] 国大協臨時理事会議事要録

臨時理事会議事要録

日 時 平成13 年7 月5 日 (木) 14 :00 〜15 :45
場 所 学士会分館(本郷)6 号室
出席者 長尾会長
石、松尾各副会長
中村、山田、阿部、北原、磯野、中嶋、内藤、林、佐藤、岸本、野上、吉川、
河野、鮎川、池田、野村各理事
宮田第5 常置委員会委員長
(オブザーバー)東京大学・小間篤副学長、九州大学・矢田俊文副学長

長尾会長主宰のもとに開会。

議事に先立ち定足数の確認とオブザーバー出席(東京大学・小間副学長、九州大学・矢田副学長)を了承したのち、会長から臨時理事会開催の趣旨を含めた挨拶があった。

〔議 事〕
I.協 議
1.今後の諸課題への対応について
(1)会長から、急激な情勢の変化に対応して理事会の中にワーキング・グループ(以下「WG 」という)を置いて柔軟かつ機動的に対処したい旨の提案があり、配付資料〔理事会「将来構想ワーキング・グループ」要項(案)〕の説
明があった。
これについて概ね次のような意見交換が行われた。
○ WG で政策的見地からの法人化問題についても検討する(案)となっているが、設置特委では引続き「枠組」の詳細を詰めていくのではないか。先の総会でもそれは了解されたことだと思っている。WG を設置するのは、その必要性が薄らいだとの判断があるのか。
○ 設置特委の目的は、理想的な設置形態を考えることと、文部科学省・調査検討会議に国立大学の意見を反映させることだ。今回の"遠山プラン"にある国立大学の再編・統合、削減というのは、現在の設置特委の範囲を越える問題であり、今後、プランを具体化しようとする文部科学省に言うべきことは急いで言う必要がある。そのためのWG である。
○ WG をつくることは屋上屋とならないか。先の総会でも意見があった「枠組」について、"遠山プラン"を勘案しつつ設置特委でさらに検討して国大協としての意見をまとめ、臨時総会を開いて国大協としての明確な姿勢を明らか
にすることが必要だ。
○ 設置特委で"遠山プラン"に対応するには設置特委の使命からいって限界がある。そのために、理事会の中にWG をつくって、特別委員会の範囲を範える問題を検討を早急に進めていきたい。
○ WG は必要である。"遠山プラン"が出たことで情勢が急に変った。短期決戦的な様相を帯びてきて、数ヶ月の間に事態が大きく変ると認識している。調査検討会議のまとめも夏以降出てくれば、法制化に向けて一気に進む心配もある。それに機動的に対応できる戦略的なグループを作る必要がある。設置特委で扱うのも一つの方法とは思うが、WG を中心に、かつそれを理事会が責任をもって受け止めていくのがベターと思う。
○ "遠山プラン"に出てきた「国立大学の数の大幅削減」に黙っていると、個別に話がくるのではないか。国大協としてこれまで努力してこなかったわけではないが、高等教育の在り方を含めて意見を出していかないと国立大学全体が沈んでしまうと、危機感をもっている。"遠山プラン"は、従来の設置特委の議論からはみ出た部分があり、WG では、そこを政策として議論していただきたい。
○ 状況に機動的に対応していかなければならないということは分かるが、理事会の権限について会則では、「協会の運営に関する事項を処理する」とあるだけであり、特別委員会を飛ばして、理事会がWG を中心とする少数の人達が協会をリードするようなやり方はよいのか。
○ 理事会の会則上の権限としては、「協会の意思決定は、総会の議によるが、緊急の必要があり総会を招集する暇がない場合は理事会の議による」とあり、次の総会で承認を得ることを前提に協会の意思決定に関し総会に代わり得る権限が与えられている。その範囲を踏み出さないように、対応する案である。
○ 「将来構想」のネーミングは適切か多少気になるが、状況に迅速に対応するために理事会が審議する事項の原案作り、問題整理の窓口としてWG を設けてやっていくことに賛成したい。
○ 文部科学省は"遠山プラン"を出し、調査検討会議の法人化のまとめに基づいて具体的な制度設計に入る。危機感をもち、急がねばならないと思うのは、たとえば、再編・統合に関しては、文部科学省はこれまでは、大学の自主性を尊重するということだったが、ここへきて明らかに方向転換している。事実、6 月14 日の学長会議で遠山大臣は、「再編・統合については最終的に文部科学省の責任において計画の策定をしたい」と明言された。だから"遠山プラン"について国大協として言うべきことを言っていかなければならない。それは急ぐ必要があるから、理事会にWG をつくって進めるのが現実的であろう。
○ "遠山プラン"はドラスチックである。これの受け止め方は各大学で温度差がある。先の総会でも十分議論も詰めも行われていない。理事会の責任でWG で対応を検討していくのは結構だが、問題点を詰めて、臨時に総会を開いて意見を聞くことも必要と思う。
○ WG は具体的に何を検討し、いつ頃までに何をどうするのか、「国大協」としての意見を表示してほしい。理事会の報告を文部科学省に申し入れるのではなく、総会を経て国大協としての対応をすべきである。
○ 文部科学省は近く"遠山プラン"の具体化に向けた検討を行う作業チームを組織すると聞く。早急な対応が必要であり、総会を開いて相談している時間的余裕がないのではないか。
○ 文部科学省だけが相手ではない。経済財政諮問会議、総務省、経済産業省といった文部科学省を取り巻くプレッシャーが高まることにおいて緊急度を強く感じている。それに対抗するには小回りの利く戦略性に富んだ議論を活発にできる場をつくっておいて、理事会が国大協全体を受け止める形にしないと対応しきれない。
○ WG で何を検討し、どう動かしていくのか、試案はあるか。
○ たとえば、"遠山プラン"に挙がっている国立大学の再編・統合について、国大協としての基本的な考え方についての見解をまとめ、場合によれば、各地域の実情調査等も必要かもしれない。それから、文部科学省・調査検討会議が現時点でまとめた報告案(「中間報告のまとめの方向(案)」)は、たとえば、法人の運営組織について、A 案、B 案、C 案の3 案併記になっていたり、目標・評価については、大学評価委員会の役割、権限、構成についての言及がないとか、人事制度では、公務員型か非公務員型かいずれもあり得る記述になっているなど、先送りされたり対案の提示に留まっているところがあり、そういう点に対しても意見を出していく必要があろう。ただし、それは細かい制度設計にまで立ち入るということではなく、最重点項目に絞ってまとめるのがよいと思っている。
○ WG での議論の論点はその都度理事会構成員に報告すると同時に全国立大学長にも送付するべきである。
以上のような意見交換があったのち、会長から〔「将来構想ワーキング・グループ」要項(案)〕に基づくWG の設置について諮られた結果、異議なく、これが承認された。
引続き会長から、WG の構成について、要項に基づき(地域のバランス等を考慮する)次のとおり提案があり、異議なく了承された。
座長 副会長 松尾 稔
委員 〃 石 弘光
〃 小樽商科大学長 山田家正
〃 東京大学長 佐々木毅
〃 静岡大学長 佐藤博明
〃 島根大学長 吉川通彦
〃 愛媛大学長 鮎川恭三
〃 長崎大学長 池田高良

(2)会長から、設置特委の継続等に関し次のように諮られ、了承された。

設置特委において、「報告書」に関わる問題について引続き検討していくこととしたい。委員長は、この4 月以降会長が兼務していたが、今後は石副会長に委員長を、松尾副会長に副委員長をお願いしたい。
なお、設置特委の存続の態様及び同特委の今後の審議の進め方等に関し更に意見交換が行われ、基本的には、設置特委を中心とした検討体制を当分の間存続させ、(1)文部科学省・調査検討会議の「中間報告の取りまとめの方向」(案)と、設置特委の「国立大学法人化の枠組」についてすり合わせ、内容上の違いについて精査する、(2)検討にあたって、WG との仕切りはある程度必要だが、多少重複することがあっても止むを得ない、などが確認された。これらの議論と関連して、先の総会で了承された設置特委の「報告書」の取扱いについて新聞報道が様々な言いまわしをしていて実際にはどうだったのかを巡り大学の現場では混乱しているので、会長から文書によるコメントを流してほしいとの要望があり、会長からは検討したい旨の発言があった。
2 .要望書の提出について
宮田第5 常置委員会委員長から、配付資料「国際的な学生交流計画の充実について(案)」に基づき説明があり、会長から、要望書(案)の提出について諮られた結果、異議なく、これが了承された。

II報 告
(1)尾身科学技術政策担当大臣との懇談について
会長から、去る6 月20 日、午後4 時から5 時半までの間、会長、両副会長及び阿部東北大学長の4 人が尾身科学技術政策担当大臣と懇談した旨述べられ、その内容について、概ね次のような報告があった。
尾身大臣からは、国立大学の施設・設備を公共事業費の枠の中で扱う方向を考えていること、法人化後"の教職員の身分は非公務員型が望ましいと思っていること、"遠山プラン"のトップ30 構想には統制的な感覚が入っていて賛成できないこと、大学のもつ知的財産をできるだけ産業界にトランスファーする努力をすべきであり、企業のトップと学長方と懇談の場を積極的につくりたいことなどの話があった。
国大協の側からは、法人化問題について国大協として時間を掛けてよく議論したことなどを話し、設置特委の「報告書」の要点を説明した。


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