独行法反対首都圏ネットワーク


国立大学の再編・統合の検討が全国的に加速
 一山梨大と山梨医大・筑波大と図情大の統合の概要ー
2001.8.30 独行法反対首都圏ネット事務局 <文教ニュース (8月6日号より)

<文教ニュース (8月6日号より)

 

国立大学の再編・統合の検討が全国的に加速

 一山梨大と山梨医大・筑波大と図情大が14年度統合、各新設医大が検討− 

文部科学省の「大学の構造改革の方針」や特会ヒアリングの意向を受けて国立大学に再

編、統合の検討が加速、ほぼ全大学に及んでいる。全国に先駆け山梨大学と山梨医科大学、

筑波大学と図書館情報大学が、平成14年度に統合するのをはじめ、東京商船大学と東京水

産大学、神戸大学と神戸商船大学、九州大学と九州芸術工科大学が統合に調印、このほか

香川大学と香川医科大学、佐賀大学と佐賀医科大学、大分大学と大分医科大学、宮崎大学

と宮崎医科大学が統合に向けて具体的に協議されている。

 

筑波大学と図書館情報大学の統合の概要

1 統合の目的及び意義。

図書館情報大学は、図書館学と情報科学を融合させた図書館情報学に関する高度の理論と技術についての教育研究を行う、我が国では唯一の大学として、昭和54年10月に設置され、この分野における先進的な取り組みを行ってきているところである。

また、筑波大学は、従来の大学の内外からのいろいろな要請に応えるため、我が国で初めて抜本的な大学改革を行い、薪構想の大学として、昭和48年10月に総合大学として設置され、「教育と研究の薪しい仕組み」「薪しい大学自治」「開かれた大学」を特色として、創設以来今日まで、大学改革の先導的役割を果たしてきているところである。

国立大学は、これまで大学改革を目指して、教育、研究の充実、大学運営の改善に取り組んできているところがあるが、さらに現下の厳しい経済、財政状況の中、法人化の流れも考慮しつつ、将来への更なる発展を目指し、今後、国公私立大学を含め、大学間の競争が極めて激しい状況になることが十分予測され、大学の教育・研究基盤の強化が求められている。

このような状況を踏まえ、学生のための教育を充実させ、活力ある研究活動を推進していくために、両大学が統合することは、これまでの成果及び人的・物的資源の融合により、統合後の筑波大学が個性豊かな総合大学として一層発展し得ることが見込まれる。特に、多様で幅広い80年にわたる図書館情報学の歴史を祷ち、この分野における先進的な取り組みの実績を有している図書館情報大学と、多様で幅広い学問領域にわたる先端的研究の実績を有している筑波大学が統合することにより、新しい学際的研究分野を切り開き、その分野に係る国際的な研究拠点を創出することができる。

更に、それより大学の機能が多様化され、地域及び関連する学外研究機関と連携することが期待できるとともに、運営基盤の総合的強化により、社会及ぴ時代の要請に迅速に対応することが可能となり、統合後の筑波大学がより豊かを学際性・柔軟性を備えた、開かれた大学として一層発展することが見込まれる。

また、社会の在り方に著しい変化の見られる今日、大学の教育及び研究における学際化、国際化、情報化の進展は目覚ましいものがあり、その方法や内容等に関し、新たな枠組みが必要である。それらに対応するため、統合後の筑波大学においては、流動的で柔軟な大学運営を行い、総合的、多角的な教育研究活動を活発に展開することにより国際的に貢献する大学を目指すものである。

 

2 大学の名称等

統合後の大学の名称は、「筑波大学」とする。

統合の時期は、「平成14年10月1日」とし、新学生の受入れは、「平成15年4月」から開始する。

 

3 新たに設置を要求する組織

 

図書館情報大学の図書館情報学部を廃止して、図書館情報専門学群を設置する。

学生数(入学定員)は第−年次150人、第3年次編入学30人。教員の要求人員は、教授30人、助教授15人、講師16人計61人。

大事院図書館情報メディア研究科(区分制博士課程)

図書館情報大学の大学院情報メディア研究科(区分割博士課程)を廃止して、大学院図書館情報メディア研究科(区分制博士課程)を設置する。

学生数(入学定員)は、博士前期課程37人、博士後期課程21人。

図書館情報大学の大事院情報メデイア研究科(区分制博士課程)については、平成17年度概要要求において、筑波大学における独立修士課程と5年一貫博士課程の二課程並立制とする設置形態に改組再編することとするが、図書館情報大学における研究科が設置されたばかりであることなどを考慮し、それまでの間は、「図書館情報メディア研究科(区分制博士課程)」を設置する。

図書館情報大学の図書館情報学部を廃止して、図書館情報学系設置する。

教員の要求人員は、教授36人、助教授18人、講師19人 計73人。

学内共同教育研究施設として、知的コミュニケティ基盤研究センターを設置する。

本研究センターは、統合を契機に図書館情報学とその他の幅広い学間領域を専門とする多様な研究者による一体的・学際的な研究を推進するための組織を構築し、21世紀の高度情報ネットワーク社会において複層的に形成される知的コミュニティのための基盤的な諸要素を総合的に研究することで、「知の創造と活用により世界に貢献できる国」の実現に向けて寄与することを目的として設置する。

教員の要求人員は、教授5人、助教授2人、講師3人 計10人。

 

4 既存の学内共同教育研究施設の統合整備・拡充

図書館情報大学と筑波大学との統合に伴い、図書館情報大学のそれぞれのセンターは、筑波大学の類似センターと一元化し、それぞれのセンターの強化及び管理運営上等の効率化を図る。

@学術情報処理センターの整備・拡充 A外国語センターの整備・拡充 B体育センターの整備・拡充 C保健管理センターの整備・拡充 D留学生センターの整備・拡充

 

5 附属図書館の統合整備・拡充

図書館情報大学の附属図書館は、筑波大学の附属図書館情報学に関する專門図書館(図書館情報学図書館)として設置し、教育・研究活動及びその他の利用に供する。

 

6 事務局の統合整備・拡充

図書館情報大学の事務局は、筑波大学の事務局に一元化し、教育・研究組織及び管理運営等に十分支援可能な事務体制を構築するとともに、国立大学の構造改革及び教育・研究の進展に柔軟に対応でき得る体制に整備充実する。

 

7 キャンパス

 両キャンパス間にギガビットレベルの専用回路を敷設し、両キャンパスの情報ネットワークを統合するとともに、双方向の遠隔授業及び会議等を行うためにマルチメデイア講義室等の整備を行う。

また、統合後の図書館情報大学のキャンパスは、筑波地区の一団地として一体的に管理運営を行う。

 

山梨大学と辿梨医科大学の統合の概要

1 目的

山梨大学、山梨医科大学は地方の国立大学として、それぞれの役割を果たし、社会に貢献してきた。

しかし、科学技術の進展に伴う大学間あるいは民間企業との競争の激化、少子化と進学率の向上による大学の大衆化等、大学は好むと鮮まざるとに拘わらず、変革せざるを得なくなって来た。

このような国立大学を取り巻く環境や法人化への的確な対応を求められる時代背景、教育研究の基盤強化が必要な両大学のおかれている状況を見た場合、小規模大学ゆえに社会の要請、時代の要請に応え、厳しい環境に耐えつつ更に発展していくことが難しくなって来ている。両大学のような小規模校は統合することによって、知的、人的資源を結集し、社会に貢献できる大学づくりをして行く必要がある。

 

2 特色

大学が統合するに当たって、統合を機に新機軸を打ち出し、新世紀に相応しい機動的、かつ、合理的な運営がなされるよう、更なる改革を進める。

統合を機に行う改革は、次の事項について実施する。

(1)  学の新たな決意を表明するための大学名称設定及び新大学理念の策定

(2)教養教育充実のためのカリキュラム再編及び実施体制の整備

(3)学際的研究を推進し、大学院教育を充実するための独立研究科の設置

(4)山梨医科大学一般教育教官の人的資源を活用し、各学部等の専門教育の充実及び研究領域の拡充を図るための講座再編

(5)教育研究支援体制充実のための附属教育研究施設の改組

(6)管理運営体制の整備充実

(7)事務組織の再編

 

3 大学の名称等

(1)  名称 山梨総合大学(仮称)(統合による新生大学の設置:国立学校設置法第3条関係)

(2)  位置 山梨県

(3)  統合時期 平成14年10月1日

学生受入時期 平成15年4月1日

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