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徳大医・歯学部病院を統合へ 患者本位の質高い医療提供
2001.7.25 he-forum 2304] 徳島新聞07/24

『徳島新聞』2001年7月24日付


徳大医・歯学部病院を統合へ 患者本位の質高い医療提供


 徳島大学(斎藤史郎学長)は、徳島市蔵本町にある医学部付属病院(香川征病院長)と歯学部付属病院(中條信義病院長)を将来的に統合する方針を固めた。付属病院の関係者でそれぞれ組織する運営委員会は、統合を前提とした新構想病院推進委員会の設置を承諾している。二十六日、学部ごとに開く教授会で、同委員会の正式な設置が決まり次第、統合に関する具体的な協議に入る。
 徳大によると、統合の狙いは<1>患者を中心とする質の高い医療サービスの提供<2>医、歯両学部生らに対する教育の向上−の二点。統合の時期は未定だが、両学部長や両付属病院長らが新構想病院推進委員会の委員となって▽病院施設▽運営方針▽職員配置などについて協議する見通し。
 今年一月、全国の国立大医、歯学部長と国立大付属病院長ら約二百人が集まった会議で▽医学部と歯学部の連携▽医、歯両学部付属病院の連携などが議題となった。
 これを受け、徳大は二月から、医、歯両学部付属病院の運営委員会などで統合に関する協議を開始。六月の両学部の教授会で統合に向けた取り組みを進めることを大筋で決め、七月の両学部の付属病院運営委員会で統合を前提とした新構想病院推進委員会の設置を承諾した。
 統合に関して、医学部側からは目立った反対意見はなかったが、歯学部側からは「歯学部が医学部に吸収されるのでは」「歯学部の独立した決定権がなくなるのでは」など、懸念する声も上がったという。
 しかし、統合すれば▽歯学部付属病院の患者が医学部付属病院で診察を受ける際に初診料などがいらなくなる▽CTなどの病院施設が有効利用できる▽医、歯学部生が学部内に特化せず、全身管理の医学教育が受けられる−などの利点が挙げられた。このほか、国立大の独立行政法人化問題への対応、医学部付属病院の中央診療棟が二〇〇三年一月に建て替わるといったこともあり、統合の方向でまとまった。
 香川、中條両病院長らは「お年寄りが歯の治療を受けるとき、心臓病などの合併症があると治療を断られる場合があるという。統合すれば医、歯学部が連携してスムーズな治療が可能となり、患者本位の質の高い医療サービスが提供できる。学生も学部内の勉強だけでなく、医療全体の総合教育が受けられる。統合には多くの課題があるが、できるだけ早期に実現させたい」と話している。

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