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産学連携に東大も、推進委設け具体策検討へ
2001.7.15 [he-forum 2275] Yomiuri On-Line 07/14
Yomiuri On-Line 2001年7月14日
産学連携に東大も、推進委設け具体策検討へ
大学の研究を産業化に結びつける「産学連携」の推進に経済再生の期待が高まっていることから、東京大学は、「社会連携推進委員会」(委員長・小間篤副学長)を設け、連携を拡大するための具体策の検討に乗り出した。
東大では、学内に「学術研究は金もうけと一線を画すべきだ」と、産学連携に反発する意見もあるうえ、産業化や実学を低くみる意識も色濃く残っているが、その打破を狙う。9月には、具体策について中間報告をまとめたい考えだ。国立大学の組織・意識改革が論議を呼ぶ中、自己改革に向けた東大の取り組みは、他大学にも影響しそうだ。
国内の大学は、かつて軍国主義の下で国力増強に協力した経緯もあり、戦後は産業界から距離を置いた学術研究にこだわる風潮が強かった。各種の学会など学術研究団体も、大学研究者が主導する例がほとんどを占め、産業界の研究者は目立たない。研究成果も学内に死蔵する傾向があったという。
これに対し、米国は1980年代から産学連携を国家的な戦略として推進。多数のベンチャー企業を輩出して世界を席巻するなど、産業競争力の強化に成功した。
経済低迷に苦しむ日本でも、産学連携への期待は膨らんでおり、政府は先月、新産業を創出する方策の一環として「大学発のベンチャーを3年間で1000社にする」との目標を打ち出した。
東大の推進委は、この期待にこたえるのが目的。学内の反対論にも配慮し、「研究成果を国民に還元する意味では従来と同じだが、その手段が変化してきた」と、まず産学連携に臨むうえでの基本理念を整理して提示。「本業」の教育研究と「副業」の産学連携の関係も明確にする。
そのうえで、特許取得や起業資金の調達などについて、教官たち研究者が相談できる組織や、産業界の要望を聞く窓口を学内に設けるなど、具体策の詰めを急ぐことにしている。