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基礎研究への配慮を要望 予算方針で国立研所長ら
2001.7.12 [he-forum 2266] 基礎研究への配慮を要望 予算方針で国立研所長ら(共同通信).
基礎研究への配慮を要望 予算方針で国立研所長ら
共同通信ニュース速報
来年度の政府予算で生命科学など特定の分野に重点配分する方針を総合科学技術会議が決めたことを受けて、国立研究機関の所長らが十一日「基礎的研究の推進に十分に配慮してほしい」という要望書をまとめ、同会議議長である小泉純一郎首相あてに提出した。
要望書を出したのは、国立遺伝学研究所(静岡県三島市)や国立天文台(東京都三鷹市)など大学共同利用機関十四機関のうち十一機関の所長ら十八人。
要望書は、今年三月に決まった政府の科学技術基本計画では基礎研究の充実がうたわれたにもかかわらず、この日決まった方針では、生命科学や情報科学など当面の産業競争力強化を目指すあまり、目標設定が短期的すぎると批判した。
方針が「必要な整理、合理化、削減」を打ち出した点について「科学技術にとって本質的に重要な基礎研究分野の削減を示唆している」と指摘。基礎研究の強化を怠れば、科学や文化の土壌が損なわれるという懸念を示し、基礎研究推進への十分な配慮を求めた。
記者会見した勝木元也・岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所所長は「方針では重点分野が個別課題レベルまで絞り込まれており、これでは科学者に選択の余地はない。科学全体を進めることにはならず、本当の発見も生まれないだろう」と語った。(了)[2001-07-11-20:49]