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華頂短大と佛教大運営の2法人 合併へ手続き 学校は存続.
2001.7.6 [he-forum 2249] 華頂短大と佛教大運営の2法人合併へ手続き 学校は存続
(京都新聞).
京都新聞 2001.7.3
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華頂短大と佛教大運営の2法人 合併へ手続き 学校は存続
浄土宗宗門校の華頂短大(女子短大)を運営する学校法人「華頂学園」が、同じ宗門校の佛教大を運営する学校法人「浄土宗教育資団」と合併に向けた作業を進めていることが二日までに、分かった。両法人はすでに理事会の合意を得ており、所轄庁の文部科学省、京都府と協議し、合併の手続きを進めている。存続法人は浄土宗教育資団で、華頂学園は解散するが、学校や幼稚園は現行のまま運営するという。少子化などで厳しさを増す私学経営の強化が狙いで、女子短大を中心にした私学再編に影響を与えそうだ。
華頂学園と浄土宗教育資団は、仏教精神に基づく学校教育の実践や浄土宗僧りょの養成などを目的に、浄土宗や総本山の知恩院が設立した。
関係者によると、近年、私立校の学校経営が厳しくなる中、両法人は財政基盤の安定策を検討。浄土宗の関係者らも含めた話し合いを進める中で合併案が浮上し、今年六月までに双方の理事会で合意に達した。
女子短大は近年、受験生の共学・四年制志向のあおりで全国的に人気が下落、受験生員が合格する「全入時代」になった。京滋でも、大半の学科で競争率が一倍を割り込んでいて、短大の縮小や四年制化など対応策を模索している。競争率の高かった同志社女子大も、昨年度から短大部の学生募集を停止した。
浄土宗教育資団関係者は「浄土宗の宗門校として、合併後は学校や幼稚園が一層発展するよう願っている」と話している。
▽華頂短大 一九五三年開学。明治後期に知恩院が開校した華頂女学院(現・華頂女子高)がルーツ。華頂学園は華頂短大と女子中高、幼稚園を運営。京都市東山区。
▽佛教大 十七世紀初頭に設置された浄土宗の学問所「関東十八檀林」が起源。仏教専門学校などを経て、四九年、現在の名称に。浄土宗教育資団は佛教大と付属幼稚園を運営。京都市北区。
京都新聞 2001.7.6
華頂短大(京都市東山区)などを運営する華頂学園と、同じ宗門校の佛教大(北区)を経営する浄土宗教育資団がこのほど、学校法人の合併に合意した。受験生離れが進むなか、京都の各私立大は、女子短大の縮小などを進めているが、法人の合併まで進んだのは全国で二例目。これを機に、大学レベルにとどまらず、私学再編の動きが加速しそうだ。
京都では女子短大を再編する動きが、これまでから活発だった。同志社女子大(京田辺市)は、女子短大の人気が関西の中で一、二と言われたが、昨年度から短期大学部の学生募集を停止。代わりに四年制の現代社会学部を新設した。
「短大から四年制へ三年次編入する学生が年々増えてきた。短大の将来を考えた場合、早い段階で、四年制大に移行した方が経営面でも有利と学内で判断された」(川村俊哉・同女大入学課長)としている。
ほかの私立大でも、女子短大の定員を削減して、四年制の学部に振り分けるケースが増えている。京都女子大(東山区)は昨年度、短大部を縮小し、現代社会学部を新設した。来年度からは京都光華女子大(右京区)が短大部を縮小し、四年制の人間健康学科を新設する。「短大を希望する受験生はゼロではないので、IT(情報技術)などの専門分野に特化して一部は残す方針」(京都光華女子大企画広報室)
全国でも再編の動きは強まっている。洗足学園魚津短大(富山県魚津市)は本年度、廃校も視野に入れ、募集停止した。有力私大百二十一校でつくる日本私立大学連盟は先月、私大の半数近くが赤字経営に陥っている状況を踏まえ、経営危機の私立大に対し、廃校を含む合併勧告を促す方針を打ち出している。
こうした再編が進む背景には、少子化がある。中でも女子短大は四年制・共学志向の流れを受けて、受験生離れが顕著だ。京都でも女子短大の大半は競争率一倍を切っている。「定員割れは経営悪化に直結する。経営上、学生は一人でも多く欲しい。白紙答案を出さない限り、全員が合格です」(短大の入試担当者)という声もあるほどだ。
さらに、京都市のある短大を経営する学校法人理事は「今は過去の蓄積で食いつないでいるような状態。競争力のある四年制大との合併も視野に入れながら、対応策を検討している」ともらす。
そういった中で、華頂学園と浄土宗教育資団の合併が決まった。文部科学省によると、学校法人の合併は一九九五年に南山学園(名古屋市)と、短大を経営する名古屋聖霊学園(愛知県瀬戸市)のケースがあるだけで、今回が二例目。
私学事情にくわしい関西文理学院(北区)の古川友一・進学教育センター長は華頂学園が短大だけでなく、中学・高校も抱えている点に着目し、「合併で中学から大学までの一貫教育が実現する。学校のブランドを高めていく上でも利点が多い」と指摘。今後、小中学校や高校も巻き込んだ私学再編が各地で進むと、予想する。