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山梨大と山梨医大の統合 3学部、バイオセンサー新設.
2001.7.4 [he-forum 2240] 山梨日日新聞07/04.

『山梨日日新聞』2001年7月4日付


山梨大と山梨医大の統合 3学部、バイオセンサー新設

文科省に概算要求書提出
来年10月開校 工学部、2段階で移行
 
 国立大初の統合を目指している山梨大(椎貝博美学長)と山梨医科大(吉田洋二学長)は三日、統合後の新設大の概要をまとめ、来年度予算の概算要求書を文部科学省に提出した。統合へ向けては来年四月に山梨大工学部で工学研究科(修士課程)などの組織改編を行った後、同十月に新設大へ移行する二段階の過程を踏む。新設大の名称は仮称として「山梨総合大」を使用し、キャンパスは甲府と玉穂に分かれる。教育人間科学、医学、工学の三学部を置くほか、山梨医科大医学部にある実験実習機器センターと動物実験施設を発展させて学内共同教育施設「バイオサイエンスセンター」を新設する。統合後には、医工連携を研究領域とした独立研究科やメディア研究開発センターなどの新設を視野に入れている。
 両大によると、来年四月に山梨大工学部の工学研究科修士課程を現行の四専攻から八専攻に拡充し、「持続形成」「自然機能開発」の二つの独立専攻と、「循環システム工学」の一般専攻を新設。また工学部の付属機関の無機能合成研究施設を「クリスタル科学研究センター」に、機械工場を「ものづくり教育実験センター」に発展させる。
 その上で同十月に新設大学に移行。教育研究組織として教育人間科学、医学、工学の三学部制をとる。直属の教育研究施設として新たに設置するバイオサイエンスセンターでは、遺伝子改変、人工臓器など医療組織の開発、タンパク質の機能研究や解析などの研究を行う。図書館は山梨大付属図書館を新設大の付属図書館、山梨医科大付属図書館を医学分館とする。
 管理運営組織としては学長、副学長二人(企画・学術交流担当、教学担当)、評議会、運営諮問会議などを設置。事務組織は総務、経理、学務、施設の四部のほか、学部ごとに事務部を置き、甲府キャンパスに総務、学務両部、玉穂キャンパスに経理、施設両部を配置する。教職員は千四百九十人程度となる。
 概算要求書には甲府、玉穂両キャンパス間の輸送用バスのほか、甲府キャンパスを中心に行う教養教育に対応するための教室の増設など施設整備も盛った。
 一方、概算要求とは別に両大学は新設大の将来の在り方として、大学院に医工連携を研究領域とした独立研究科や看護学研究科、学内共同教育研究施設に遠隔地医療などを研究するメディア研究開発センターなどの新設を検討。いずれも統合後の二○○三年四月開設を目指している。
 文部科学省によると、国立大の統合は戦後初で、現在、山梨、山梨医科の両大学のほか、筑波、図書館情報の両大が来秋の統合を目指して準備を進めているという。
 概算要求書を提出したことについて、椎貝学長は「約二十年という長い間別々の大学だったものが、(統合へ向けて)建設的な話し合いができたことが最大の成果であり、誇れることだ」と感想。一方の吉田学長は「各学部が協力することで新しい研究領域が開発され、研究を深めたり、地域産業との連携を深めることができる。別々の大学同士が新しい器で溶け込む上で今後は、十二分に協力し合える体制をつくり上げることが使命となる」と話している。

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