独行法反対首都圏ネットワーク


要望書 「わが国の最近の科学技術政策についてー基礎的科学研究の推進の必要性ー、説明資料:主な論点
2001.7.11 大学共同利用機関 所長有志、賛同する大学共同利用機関の前/元所長有志

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独立行政法人反対首都圏ネットワーク事務局です。

2001年7月11日の 大学共同利用機関 所長有志、賛同する大学共同利用機関の前/元所長有志の
要望書 「わが国の最近の科学技術政策についてー基礎的科学研究の推進の必要性ーと「説明資料:主な論点」です。

記者会見の様子が報道されています(7/12更新記事一覧にあります)。

なお、「平成14年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針」は、内閣府HPにあります。
<http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu08/siryo1-1.pdf>

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平成13年7月11日

総合科学技術会議議長

内閣総理大臣 小泉純一郎 殿

 

要 望 書 

 

わが国の最近の科学技術政策について

  基礎的科学研究の推進の必要性  

 

 本日の総合科学技術会議本会議で、『平成14年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針』が決定されました。これは世界最高水準の科学技術創造立国をめざす『科学技術基本計画』(平成133月閣議決定)の具体化であり、来年度予算編成において「科学と文化」及び「科学と技術」の扱いの基本となる重要な方針であります。

 『科学技術基本計画』はまず、わが国の将来像を決める学術と文化の基盤である科学(自然科学、社会科学、人文科学等)の尊重と、基礎研究の重要性及びその充実の必要性を述べています。ついで、わが国の富の増強力にとって最も重要な要件は、急速にグローバルな展開をする科学技術の発展であり、そのためには重点分野に絞った資源配分が必要であると述べています。これらの指摘は、昨今の情報化文明社会が科学と技術の豊かな進歩によって成り立っていること、そして今後はより総合的な発展をめざすべきであるとの認識に立っており、時宜を得たものであると思われます。

 しかし、伝えられる『科学技術資源配分の方針』の内容は、上記『基本計画』の内容を充分に踏まえたものではなく、当面の産業競争力の強化に向けた短期的な目標設定とその実行のため科学技術研究の総動員を全面的に押し出したものとなっているように思われます。その結果、科学技術にとって本質的に重要な基礎研究、および絞り込まれた重点分野以外の広範な研究分野については、かえってその削減を示唆するものとなっています。先進的な科学技術の発展にとって、広い関連分野と基礎研究に支えられた土壌の育成は最も重要な基本であり、その結果が豊かな実りとなって産業、社会、そして人類が生きてゆく上での英知へと還元されるものです。その意味で、政府がかかげる「科学技術創造立国」を実現するには、「基礎的科学研究」の推進充実に充分意を用いる必要があると、私たちは考えます。

 基礎的科学諸分野や基礎研究の強化を怠ってわが国の「科学と文化」および「科学と技術」の土壌を損なうことは、何としても避けねばなりません。さもなければ創造的科学技術立国の種は、芽が出たとしても大きく育つことが出来ないであろうと、私たちは懸念するものです。

 私たち学術諸分野の中枢研究所に責任を持つ所長有志は、この状況を憂慮し、理系文系などの分野を越えて、平成14年度予算等当面の施策において基礎的研究の推進に充分な配慮をされることと、「科学技術創造立国」に向けた着実で強力な政策を長期的な見通しに立って実現することを、総合科学技術会議に要望いたします。

 私たちもその目標達成のために、努力を惜しむものではありません。

以 上

 

       大学共同利用機関 所長有志

         堀田 凱樹    (国立遺伝学研究所・所長)      

         毛利 秀雄    (岡崎国立共同研究機構・機構長)

         勝木 元也    (岡崎国立共同研究機構 基礎生物学研究所・所長)      

         佐々木 和夫  (岡崎国立共同研究機構 生理科学研究所・所長) 

         茅 幸二     (岡崎国立共同研究機構 分子科学研究所・所長) 

         海部 宣男    (国立天文台・台長)

         松野 陽一    (国文学研究資料館・館長)      

         佐原 眞     (国立歴史民俗博物館・館長) 

         石毛 直道    (国立民族学博物館・館長)

         清水 良一    (統計数理研究所・所長) 

         山折 哲雄    (国際日本文化研究センター・所長)  

         藤原 正巳    (核融合科学研究所・所長) 

         日高 敏隆    (総合地球環境学研究所・所長)                   

         渡邊興亜     (国立極地研究所・所長)

                         

      賛同する大学共同利用機関の前/元所長有志

         濱  清     (岡崎国立共同研究機構・元機構長)     

         伊藤光男     (岡崎国立共同研究機構・前機構長)     

         富澤 純一    (国立遺伝学研究所・前所長)    

         小平桂一     (国立天文台・前台長)   


説明資料: 主な論点

 

 要望を説明するため、私たちの主な論点を以下にまとめます。

  [以下では煩を避けるため、『平成14年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針』   

   を単に『方針』、『科学技術基本計画』を『計画』と呼ぶことにする]

 

1. 基礎研究分野と重点分野とのバランス、及び重点分野選択に高い理念を

 『方針』は、重点分野としてライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の4分野のみに絞り込んだ。その基準は、国家的政策、社会産業への迅速な還元、戦略的な効果効率である。しかし、もし短期的な産業技術育成のみをクローズアップするとすれば、それは科学のもつ性格とは矛盾するものであろう。まずこの点について考えてみたい。

 『方針』に取りあげられている重点分野はみな、かつては基礎科学の学際領域から生まれたものである。例えばライフサイエンスは、物理学者が遺伝子の本体の研究から分子生物学を樹立し、遺伝子構造の解明に進むに至ってそれまでの生物学・医学に革命をもたらし、その結果として急速に発展したものである。情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料分野にしても、現代の驚異的な進歩の源はそれぞれの分野での原理的な発見を導いた基礎研究である。広い基礎科学の視点を欠いた技術の進歩は、あり得ない。未来の発展は、着実に積み上げられていく知識と、それを大きく飛躍させる頭脳に依るのであって、わが国のこれまでの発展も行政府が国家的視点に立って基礎科学研究に携わる人材の養成をほぼバランスよく行ってきた成果である。実際、『計画』ではこの点を十分配慮して、科学者個人の自由な発想による基礎研究の重要性を第一に述べている(注1)。

 それに対し今回の『方針』における大きな問題点は、『計画』では第一に挙げられている基礎研究の重視にはあまり具体的な言及がなく、一方では重点4分野に著しく力点が置かれていることである。そして、それ以外の分野は、ほとんど「整理・合理化・削減」の対象という表現になっていることである(注2)。

 『方針』が挙げる4重点分野は、広範な科学の中ではごく限られた分野である。総合科学技術会議では多くの議論がなされた末、重点分野を4つに絞り、さらにその内容も、当面の産業創出と国際競争力強化に直接資する研究へ厳しく絞り込まれたということである。その結果を見ると、『計画』に盛られた理念が有効に活かされる方向とは見受けられない。「科学技術創造立国」実現のための道筋が見えて来ないのである。

 言うまでもなく科学研究は、利益誘導で性急に進められるものではない。それは人間が自然に学びつつ創意と実験を積み上げて行くという、科学の本来的性格に由来する。『計画』が述べているように、科学技術は国家百年の計として幅広く着実に、かつ持続的に推進する中で発展を図らねばならない。もしも科学技術研究の大部分を占める広範な分野を急場の役に立たないとして退け、重点分野以外の見直し削減を強調するとすれば、将来必要となる未来の科学技術の芽を摘むことにもなり、かえって世界に後れをとる結果になるであろう。

 同様に、人文科学・社会科学の視点が科学技術にとっても重要性を増している現代社会にあって、『方針』ではそれらが全くと言ってよいほど取り上げられていないことにも、私たちは注意を喚起したい。科学技術会議から総合科学技術会議への改組に際しての、科学技術偏重ではなく総合的な視野による文化社会をめざすという視点は、時宜を得たものと私たちは考える。しかし『方針』においては、「文化」尊重の傾向ではなく産業経済への傾斜が優先しているのではないかと危惧するのである。

 社会に役立つ科学や技術の発展は、バランスの良い栄養と、日差しとを受けた豊かな土壌の育成なくしてはあり得ない。土壌を忘れて気に入った枝だけを保護育成することは、避けなければならない。この点への配慮を、切に求めたい。

 

2.「科学技術強化」は、種を蒔く精神に基づいて 

 先に述べたように、『方針』が挙げた4重点分野とその内容は、広範な科学の中ではごく限られた分野であって、その強化は、ある程度の新財源をもって充分措置できるはずのものである。しかし『方針』は、基礎研究は重視するとはしているが限定的な言及であり(注3)、実際には財政難をあげて、重点以外の分野や基礎研究全般の厳しい整理・合理化・削減を主張している(3. 整理・合理化・削減の考え方)。この内容は、経済ヘの対応と改革の実行を急ぎ、日本の科学研究全体の舵を性急な利益追求型へ向けて切るものではないかと私たちが危惧していることも、既に述べた。

 『計画』は、「世界最高水準の科学技術創造立国」をめざし、5年で24兆円の科学技術予算を確保する方針を打ち出している。それではなぜ『方針』において、限定分野以外の研究や基礎研究の削減が打ち出されなければならないのだろうか。私たちは、過去5年間に17兆円の政府支出が科学技術に対してなされたと聞く。確かに科学技術予算は他の予算に比べ順調な伸びを示し、広い分野で研究活動が活発化してきている。今回の『計画』の24兆円はそれを7兆円も上まわるのであるから、わが国の科学者および科学技術者たちは期待に応えるべく、震い立つべきところであろう。

 しかし実施の上では、財政難の折から産業向け重点研究課題を優遇するために、一方で「不要不急」の基礎研究や重点以外の分野を見直し、他方でそこから重点分野に予算を注ぎ込もうというのが、『方針』の背景であろうと推察される。

 「世界最高水準の科学技術創造立国」、「知の創造と活用により世界に貢献できる国」をめざす(いずれも『計画』)という長期的視点を持った政策を私たちは支持するものであり、それに貢献出来ると考える。だがもしそれが人文?社会科学や基礎的研究の犠牲において進められるのなら、せっかくの政策は逆効果を生むことになる。

 今日の厳しい財政状況を、私たちも理解しているつもりである。またその改善に我々の力が必要とされるなら、大いに努力すべきことも覚悟している。現在の危機を乗り切り、将来に大きな果実を得るためには、僅かな花から実を期待する短期的な方針ばかりでなく、種を蒔き次代に備える長期的な展望に基づく英知ある精神こそ、「科学技術創造立国」に相応しいものと考える。首相の「米百俵」の精神も、これと同じものであろう。

 

3. 基礎科学・基礎研究重視の方策の確保について

『方針』では、基礎研究に資するものとして、「競争的経費」の拡充が挙げられている。確かに「競争的経費」は重要であり、わが国の科学研究に文部科学省の科学研究費補助金をはじめとする競争的研究費が果たして来た役割は、極めて大きなものである。しかし基礎研究の振興が競争的経費拡充のみですむと考えるなら、重大な見落としがあるとしなければならない。

 第一に、競争的経費には金額および期間に厳しい上限がある。基礎科学分野でも大型化・国際化が進み、素粒子加速器、核融合大型ヘリカル装置やすばる望遠鏡の例を引くまでもなく、海洋や宇宙など100億円スケールの基礎分野での装置やプロジェクトは珍しくない。これらを最大でも1?数億円単位の「競争的経費」で進める事は不可能である。競争的経費以外の研究費は、社会産業への迅速な還元などを基準とする一部「重点分野」以外は厳しく抑制するという方向がもしとられるなら、わが国が国際的に活躍して来た多くの基礎科学分野は衰え、国際的なギャップが拡がって、日本が「知の創造と活用により世界に貢献できる国」となる道は失われるだろう。この点を、しっかり見据えていただきたい。

 第二に、もう一つ見落とされているのが、「基盤的経費」である。当然のことながら、「競争的経費」は、研究計画を申請し、審査によって与えられるものである。一方、研究の基盤を形成する、研究資源(実験に必須な施設、装置、器材、材料、情報、支援技術者等)は、長期的に継続して供給される必要がある。すなわち、比較的短期に設定された「競争的経費」では賄えない性質の経費として「基盤的経費」が必要である。この「基盤的経費」が縮小されるようなことがあれば、望遠鏡があっても星を見ることが出来ず、シークエンサーがあってもゲノムの決定は進まず、実験動物は病死してしまいかねないのである。すなわち研究資源を使わない研究などあり得ないのだから、短期的な「競争的経費」とともに、長期的な「基盤的経費」がきわめて重要である。また「基盤的経費」の存在によって、すぐには役に立つと思われない研究から予期されない発見や次世代の分野の開拓が行なわれてきたことはこれまでの科学技術の研究で多数の例を上げることが出来る。『方針』は、国立大学の基盤的経費については競争的研究環境の創出に寄与すべきとの観点から、競争的資金の拡充状況等を評価しつつ検討する(注4)としている。つまり獲得した競争的経費に応じて間接経費(一部は基盤的経費)を配分するという方向である。しかし、間接経費といえども競争的経費が終了すれば同時に終了するものであって、長期的な観点を重要な要素とする基盤的経費には当たらない。むしろ基盤的経費を保証しながら、その枠内に一部競争的な基盤的経費が盛り込まれることを期待したい。

 一方、総合科学技術会議の方針とは離れるが、密接に関連していると思われるものに「産業構造審議会産業技術分科会」が最近まとめた提言(注5)がある。これによると、競争的資金を政策目標型と学術振興型に分け、政策目標型への配分を大幅に拡充すべきと主張している。その背景として、基礎研究ヘの資金をばらまきと見て、社会還元、言い換えれば産業への貢献に競争的資金を大幅に注ぎ込もうという考え方が読みとれる。科学技術と産業との連携は今後も大いに推進されねばならない。しかし、その観点のみによる「競争」に科学や技術の研究を誘導すると見なされかねない最近の傾向は、次世代の科学技術の芽をつむ事となりかねないことをわれわれは心から憂慮するものである。

 わが国の科学技術の発展を考えるなら、競争的で効果的なシステムの推進と併せて、広く豊かな土壌の形成にも努力することが重要であると、私たちは考える。研究成果などの評価のシステムの改善は、私たちも求めるところである。それに加えて、長期的視野をもって広範な科学技術の土壌を形成する「競争的経費」の制度を構築すること、また、それと並んで基本的研究環境が整えられるべきであり、研究資源については独立の財源としての「基盤的経費」が不可欠であることを訴えたい。

 

4. 急ぎ過ぎて「百年の計」を見失ってはならない

今年3月に閣議決定された『計画』は、以下のように述べている。「こうした国を実現していくためには、わが国に科学を根付かせ、育て上げる取組みが必要である。そのため、科学的なものの見方・考え方、科学する心を大切にする社会的な風土を育むとともに、知の源泉である人材を育成し、知を国の基盤とする社会を構築していくことが必要である。」(『科学技術基本計画』2.わが国が目指すべき国の姿と科学技術政策の理念) 

 私たちもこの視点を重要と考える。長びく経済危機を前にしているとはいえ、事を急いで性急に産業や経済の視点のみから研究のための資源配分を行なうことは、決して豊かな産業基盤の形成にはつながらない。また、心ある産業人の求めるところでもないであろう。研究を進めるのは人と組織である。時間もかかる。支える基盤や進める人が不足している研究分野への大掛かりなトップダウンの研究投資はこれまでも繰り返えされ、大きな成果も得られた反面、結果として研究費の遍在と無駄をも生み出して来た。トップダウン政策の必要性は理解できるが、失敗した際に責任をとる体制なしに行なわれることの危険性も歴史が示すとおりである。過度な重点化によって、未来を作る基礎研究や広い分野の科学と人材とが荒廃してしまったら、わが国が立ち直るのは容易ではないであろう。当面の対応を急いで、悔いを百年に残すことになってはならない。

 

 私たち大学共同利用機関の各研究所は、わが国の多様な先端的学術分野をそれぞれに代表し、国際的研究を推進する中核的研究機関として、大学とは異なる開かれた運営のもと、国民の期待に応える優れた研究成果と、科学と文化への大きな希望を社会に還元して来たと信じている。今後もその成果を踏まえ、人類の知的資産に寄与し、優れた社会の実現にむけて貢献して行きたいと考える。そしてそれゆえに、わが国の科学と技術における基礎的研究の推進を訴える必要があると考え、総合科学技術会議の議長である小泉首相、および広く各界に、わが国を支える科学技術の将来について、一段の配慮をお願いするものである。

 なお私たちは一致して、わが国の科学技術政策の着実で長期的な強化の実現のため、広く各方面と協力し、今後とも力を尽くして行く所存である。

                                 (以上)

 

 

(注1)『計画』、3.科学技術政策の総合性と戦略性(2) 

 科学技術は尽きることのない知的資源であり、その振興は、未来への先行投資といえる。まず、基礎研究への継続的な投資は、知を基盤とする国の実現の基本であり、適切な評価を通して、一層推進していく必要がある。同時に、質の高い基礎研究や重点分野の研究の成果が社会や産業活動に速やかに還元され、それが次の投資につながりさらに大きな成果を育んでいくというダイナミックな循環システムを戦略的に構築する必要がある。

 

(注2)『方針』、2. - (1) 科学技術の戦略的重点化

 特に重点を置くべき分野は、国家的・社会的ニーズが高いライスサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の4分野とする。これらの4分野とそれ以外の分野とのメリハリとともに、各分野内で重点的に推進すべき事項を明確にする。

   『方針』、4. 重点化及び整理、合理化、削減の進め方

 以上に述べた重点化及び整理、合理化、削減については、上記の4つの観点(注記:必要性、計画性、有効性、効率性)からの評価を踏まえて優先順位の考え方をまとめつつ行う。具体的には、本方針を踏まえ、まず各府省において概算要求作業の過程で検討するとともに、総合科学技術会議において、各府省がまとめた概算要求事項を踏まえて予算編成過程で検討する。(後略)

 

(注3)『方針』、2. - (1) 科学技術の戦略的重点化とシステム改革

 [(注2)につづけて] 同時に、研究者の自由な発想に基づき、幅広く、新たな知に挑戦し未来を切り拓く、国際水準の質の高い基礎研究を一層重視するとともに、萌芽的な分野融合領域に対して先見性機動性を持った対応を行う。

 

(注4)『方針』 2.-(2) 科学技術システムの改革等

 (前略)また、国立大学等の基盤的経費については、その運用に関し、さらに調査を行った上で、競争的研究環境の創出に寄与すべきとの観点から、競争的資金の拡充状況、間接経費の導入規模・使用実態等を評価しつつ、検討を行う。

 

(注5)産業構造審議会産業技術分科会の提言『政府研究開発投資の重点化の在り方について』

    (平成13615日) 1. 目的志向型研究への重点配分による社会還元の促進

 (前略)競争的資金拡充に当たっては、各々の競争的資金制度について、その位置づけや政策的役割の明確化を行うことが重要であり、それらの制度を、政策目標の達成に向けて担当の各政府機関が競争的資金を供与する政策目標型と、知識の向上(学術/科学技術の振興)を一義的な目的とする学術振興型に分類し、学術振興型競争的資金への資源配分の充分な確保について配慮しつつ、政策目標型競争的資金への資源配分を大幅に拡充し、社会還元の具体化を図るべきである。

 



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