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国立大学協会第108回総会等をふまえた要望書
2001.6.27 [he-forum 2201] 国大協第108回総会等をふまえた要望書
全大教は下記の国大協会長あて要望書を本日提出しました。
2001年6月27日
国 立 大 学 協 会
会長 長 尾 真 殿
全国大学高専教職員組合
中央執行委員長 和 田 肇
国立大学協会第108回総会等をふまえた要望書
貴協会が大学・高等教育の充実と教職員の待遇改善・地位確立に向けて日頃からご尽力されていることに対して心から敬意を表します。
さて、貴協会は、6月12日〜13日の第108回総会において貴設置形態検討特別委員会による「国立大学法人化についての基本的考え方」及び「国立大学法人化の枠組」の二つの文書について大筋で了承されたと公表されています。
しかしながら、その後の各大学での学長の反応を聞き及ぶと、総会では、文書による「意見」、「要望」の提出を含め、特に「国立大学法人化の枠組」について、少なからず異論が出され、「特別委員会」の「報告」の取り扱いについても「了承した」と認知していない学長も少なくないとのことです。そのために、各大学では、両文書の取り扱いをめぐり、混乱が生じているようです。
私どもは、貴総会に際しての6月6日付けの「国立大学協会第108回総会にあたって(要望)」の中で、「『基本的考え方』と『枠組』との間のあまりの乖離・矛盾には重大な疑義を呈さざるを得ません。貴職におかれましては、このことを充分ふまえられ『基本的考え方』に基づき『枠組』等の再検討を行われるよう切望する次第です。そのことを抜きに貴総会で現『枠組』文書を拙速に報告・確認することは、社会的責務をになう『知の共同体』の未来に禍根を残すものと言わざるを得ません。」という旨の指摘をしたところです。
また、小泉首相の「国立大学の民営化容認」の国会答弁等の動きの中で、6月11日の政府の経済財政諮問会議に急遽、遠山文部科学大臣が出席し、大学の改革方針等について、「大学(国立大学)の構造改革の方針」および「大学を起点とする日本経済活性化のための構造改革プラン―大学が変わる、日本を変える―」と題する二つの文書に基づき説明するとともに、文部科学省は、6月14日に開催された国立大学長等会議で上述の二つの文書に基づき、方針を提起しました。
これらの文書は、大学人の中での検討を一切抜きに、突然出されたものです。しかも、新制大学の重要な理念である「1県1大学」の原則を崩し、大学の再編・統合による大幅な国立大学の削減や「国・公・私トップ30大学への重点的予算配分」等、学問の自由と大学の自治・自律性を無視する形で上からの強権的改革をめざすものであり、これまでの文部科学省政策を大きく転換する重大な問題を有していると言わざるを得ません。
これらのことをふまえ、貴職に対し、下記事項について要望する次第であります。
何卒その主旨をご高察いただき、積極的なご検討の程宜しくお願いします。
記
1.貴設置形態検討特別委員会等において、総会での「意見書」等や議論を十分ふまえ、「国立大学の法人化の枠組」についてその抜本的な再検討を行い、「知の共同体」にふさわしい内容を追求されること。
2.文部科学省による「大学(国立大学)の構造改革の方針」について、臨時総会の開催を含め、充分検討する場を追求されること。
3.この問題について、早急に各大学での検討を提起し、広く大学人の英知を結集されるよう努力されること。
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