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東京駅周辺に“社会人キャンパス”
2001.6.23 he-forum 2191] 東京駅周辺に“社会人キャンパス” (読売新聞)


東京駅周辺に“社会人キャンパス”


読売新聞ニュース速報


 企業の本社などが集まるビジネス街・JR東京駅周辺で、社会人を対象にした大学の“キャンパス”進出が続いている。私学の雄・早稲田、慶応両大のほか東北や京都の大学も参入。金融、国際ビジネスマンのキャリアアップ講座や文化や歴史など大学の特色を生かした講座も、そろって盛況だ。京都大学は都心のホテルに、社会人教育の拠点を開設、今月初めてインターネットによる遠隔講義を行い、社会人教育での東京進出に照準を合わせている。

 ◆競い合う?早慶◆
 慶応が4月に同駅丸の内口に開校した「丸の内シティキャンパス」は、国際ビジネス、先端科学などの分野で活躍する現役ビジネスマンや研究者が講師を務める。専門性の高い講義が売り物。授業は夕方以降。大学の単位や学位は取れないが、定員オーバーが相次ぐ。
 ライバルの早稲田も今春、同駅からも近いJR八丁堀駅前に「エクステンションセンター八丁堀校」を開校。ビジネス講座のほか、江戸の文化や歴史を学ぶ「江戸学」などが人気を集め、定員を倍にした講座も。計105講座に約2600人が登録する。
 昨年4月にいち早く東京駅八重洲口に大学院経済科学研究科の「東京ステーションカレッジ」を開設した埼玉大。修士の資格がとれる正規の大学院が売り。官僚やベンチャービジネスで活躍する企業人などを講師に迎え人気を集め、一般社会人向けの公開講座も検討している。
 ◆東北、京都からも◆
 さらに、京都造形芸術大(京都市)と東北芸術工科大(山形市)の芸術系大学2校が4月、やはり東京駅近くの中央区内に合同でキャンパスを開いた。京都造形芸術大は通信制で学ぶ関東地区の学生の対面講義に活用、勤め帰りのOLらが通う。東北芸工大も今秋から公開講座をスタートする予定。「京都学」と「東北学」の二枚看板で社会人学生の獲得を目指すという。
 一方、京大は先月、千代田区の帝国ホテルに首都圏での情報発信や企業との連携、社会人教育の拠点として活用する「リエゾンオフィス」を設けた。本山美彦・経済学部長が都内で今月9日、首都圏の卒業生を対象に講義を行った。講義の様子は質疑応答もできる双方向インターネットを通じ、京都本校へ同時中継された。
 京大では、社会人向けの公開講座を近く開く方針で、本山学部長は「経済界からの社会人教育に対するニーズは高い。国立大の独立行政法人化をにらみ、大学の存在意義も示したい」と話す。
 大学の“社会人キャンパス”が東京に進出する背景には、ビジネス界の国際競争の激化や雇用の流動化などで、社会人に専門知識を得たいという欲求の高まりがあり、少子化で大学志願者減や国立大の独立行政法人化が迫る大学側が熱い目を向けている。
[2001-06-22-14:37]



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