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国大協第8常置委員会議事要録2001.4.3
2001.6.20 [he-forum 2167] 国大協第8常置委員会議事要録2001.4.3


http://res-info.nagoya-u.ac.jp/kokudai/010403.pdf

--目次--------------------------------------------------------------------
  1 国大協第8常置委員会議事要録
  2 日 時 平成13 年4 月3 日(火)13 :30 〜16 :00
  3 場 所 国立大学協会会議室
 20 1 .諸報告
 25 (1)設置形態検討特別委員会(2月22日,3月7日,4月2日開催)
 26 (i)2月22 日及び3月7日
 28 専門委員会A : 文部科学省の組織業務委員会においては,3 名の作業・・
 35 専門委員会B : 長期目標と国の責任,長期目標のつくり方,評価と資源・・
 40 専門委員会C : 人事全般の仕組みについてようやく見えてきたが,公務・・
 43 専門委員会D : 土地・建物,運営費交付金,授業料,外部資金,競争的 ・・
 47 (ii)以上の報告の後,A ,B ,C ,D の各専門委員会の連絡調整を横・・
 52 (iii) 4月2日
 53 専門委員会A : 組織業務委員会の間で論点整理」を行っている。
 55 専門委員会B : 目標評価委員会への対応については,作業チームが作成・・
 61 専門委員会C : 様々な事例を纏めた資料が出てきたので,これから具体 ・・
 65 専門委員会D : 国立学校特別会計が現在抱えている1兆3千億円の債務・・
 70 専門委員会連絡会議: 専門委員会A3 人,B3 人,C2 人,D1 人 ・・
 77 (2)文部科学省・目標評価委員会(2 月21 日,3 月28 日開催)
 79 (i)2月21日は,作業委員が作成した論点整理の資料を基に議論した。 ・・
 85 (ii)3月28日は,中期目標・中期計画のイメージ例について議論した。 ・・
 95 (3)大学評価に関するシンポジウム(3 月22 日開催)
108 2 .平成13 年度実施予定の大学評価に対する要望について
228 2 .専門委員会B (目標評価委員会)への意見の検討について
379 3 .その他
---------------------------------------------------------------------------
  1 国大協第8常置委員会議事要録
  2 日 時 平成13 年4 月3 日(火)13 :30 〜16 :00
  3 場 所 国立大学協会会議室
  4 出席者 松尾委員長
  5 田頭,金子,大澤,椎貝,森本,佐藤,藤本,赤木,鳥居,
  6 河野,内田,田中,天野各委員
  7 岡田,池田,野角各専門委員
  8 (オブザーバ)堀田国立遺伝学研究所長
  9 陪席者 文部科学省:渡辺高等教育企画課専門官,淵上大学評価専門官
 10 大学評価・学位授与機構:齋藤副機構長,山本評価事業部長,神田評価第1 課長
 11
 12 松尾委員長主宰のもとに開会。
 13
 14 議事に先立ち委員長から,学長交代に伴い新たに就任の鳥居委員(奈良先端科
 15 学技術大学院大学長)の紹介のほか,国大協事務局長及び次長の交代に伴い新
 16 たに就任の諸橋事務局長及び宮崎事務局次長の紹介,並びに新たに陪席者とし
 17 て出席の大学評価・学位授与機構の神田評価第1 課長,文部科学省の淵上大学
 18 評価専門官及び名古屋大学の佐藤専門員の紹介があった。
 19
 20 1 .諸報告
 21
 22 委員長から,前回委員会以降の文部科学省及び国立大学協会各関係委員会の審
 23 議状況について,次のような報告・説明があった。
 24
 25 (1)設置形態検討特別委員会(2 月22 日,3 月7 日,4 月2 日開催)
 26 (i)2 月22 日及び3 月7 日
 27
 28 専門委員会A : 文部科学省の組織業務委員会においては,3 名の作業委員
 29 から出ている案に対して反発が強く,例えば評議会・教授会の権限が強すぎる,
 30 この案で大学が本当に経営できるのか,運営諮問会議のように学外者に経営面
 31 の協力を得てはどうか,評議会や教授会の関係について明確に整理すべきであ
 32 る,経営と教学を分離すべきである,予算配分の仕方が私立大学に対してアン
 33 フェアである等々の非常に厳しい意見が出されている。
 34
 35 専門委員会B : 長期目標と国の責任,長期目標のつくり方,評価と資源配分
 36 などについて議論していること。「目標評価委員会」作業委員会で,今まで出
 37 た多くの意見の論点整理を行いつつそれを踏まえ作成した「中期目標・中期計
 38 画のイメージ例案」についての議論を開始した。
 39
 40 専門委員会C : 人事全般の仕組みについてようやく見えてきたが,公務員型,
 41 非公務員型についての整理がまだついていない。
 42
 43 専門委員会D : 土地・建物,運営費交付金,授業料,外部資金,競争的資金
 44 等々の資料が文部科学省から出てきたので,それぞれについて,大学にとって
 45 のメリット,デメリットを議論している。
 46
 47 (ii)以上の報告の後,A ,B ,C ,D の各専門委員会の連絡調整を横断的
 48 に行うための「連絡会議」を設けることを決定した。なお,「連絡会議」は本
 49 日までに既に2 回開催され,専門B からは,奥野,内田,丸山の3 委員が
 50 加わっている。
 51
 52 (iii) 4 月2 日
 53 専門委員会A : 組織業務委員会の間で論点整理」を行っている。
 54
 55 専門委員会B : 目標評価委員会への対応については,作業チームが作成した
 56 「中期目標・中期計画」のイメージ例について引続き議論し,補完作業をしつ
 57 つ進めている。また,専門B として専門委員会連絡会議に対して臨む態度と
 58 しては,お互いの担当分野の枠を越えて積極的に意見を出していくこととし,
 59 意見の出し方としては,「長尾試案B 」に加筆修正する形で進めている。
 60
 61 専門委員会C : 様々な事例を纏めた資料が出てきたので,これから具体的な
 62 議論が始まる。人事は専門A の法人の基本との関係が多くあるので,そちら
 63 でも議論してほしいと発言があった。
 64
 65 専門委員会D : 国立学校特別会計が現在抱えている1兆3千億円の債務を現
 66 在の特別会計にそのまま負わせ,返済は法人とは切り離して考える,若しくは
 67 各大学法人に割り振る,の2 つの立場で議論が進められており,さらに債務
 68 処理する共同機関の設置について議論されている。
 69
 70 専門委員会連絡会議: 専門委員会A3 人,B3 人,C2 人,D1 人の各
 71 専門委員により,それぞれのテリトリーを越えて全体の調整作業を行い,5
 72  月の連休明けを目途に連絡会議としての纏めを行い,できる限り早く設置形
 73 態検討特別委員会に提出することにしている。なお,連絡会議では,(i)経営と
 74 教学の分離,(ii)学長の選考方法,(iii)目標評価と資源配分,(iv)財務会計の
 75 あり方,等が問題となっている。
 76
 77 (2)文部科学省・目標評価委員会(2 月21 日,3 月28 日開催)
 78
 79 (i)2 月21 日は,作業委員が作成した論点整理の資料を基に議論した。そ
 80 こでは,長期目標については国が大綱的にグランドデザインを示すべきである,
 81 法人としての運営の評価と個別の教育・研究の評価を分けるべきである等,様々
 82 な意見が出たが,中期目標・中期計画のイメージ例を作る前の構成例(骨組み)
 83 は大筋で認められた。
 84
 85 (ii)3 月28 日は,中期目標・中期計画のイメージ例について議論した。質
 86 の高い授業担当能力を持った人だけに「授業開講権」を認めるという表現は穏
 87 やかでない,情報を学生に知らせることこそが重要である,論文被引用も分野
 88 によって使われ方が違うので注意すべきである,イメージ例はあくまで参考で
 89 あり,それらは大学が主体的に取捨選択すればいいとの意見が出され,これに
 90 対し私立大学の委員から好意的な発言があった。さらに,大学にとっては学術
 91 文化全体への貢献という視点が重要,法人格取得は国立大学をよくしていく一
 92 過程であってゴールではない,目標に関しては大学からの申請行為が必要,等
 93 といった議論がされた。
 94
 95 (3)大学評価に関するシンポジウム(3 月22 日開催)
 96
 97 3 月22 日に名古屋大学において「大学評価に関するシンポジウム」を開催
 98 した。委員長から,第8 常置委員会の活動と意義等,金子委員から,大学評
 99 価に関する各大学の取り組みと問題点,池田専門委員から,大学評価の基本的
100 留意点等を説明した後,小樽商科大学,埼玉大学,長崎大学からそれぞれ事例
101 発表をしていただき,質疑応答を行った。「資料9 −1 −2 」がシンポジ
102 ウムにおいて出された主な質問や意見である。なお,先に各大学長宛にアンケー
103 トを実施し,各大学からの回答を金子委員が整理されたデータにそって,多く
104 の大学が共通に寄せた意見を配付資料のとおり整理した。これら評価に対する
105 意見をさらに整理し,可能な限り大綱的,基本的な意見として機構長あてに第
106 8 常置委員会として要望書,意見書を出していきたいと思っている。
107
108 2 .平成13 年度実施予定の大学評価に対する要望について
109
110 ワーキンググループの内田主査及び池田委員から,ワーキンググループで取り
111 まとめた「平成13 年度実施予定の大学評価についての要望(WG 案)」
112 (「資料9 −1 −1 」)について説明があった。
113
114 ついで,次のような意見交換が行われた。
115
116 ○ 全学的テーマの場合,年度を越える調査となっているため,それに対応す
117 る委員会は,年度の途中で編成し年度の途中で終わるという変則な形にならざ
118 るを得ない。将来年度内に始まり年度内に終わるようにスケジュールを考えて
119 ほしい。また,全学的テーマなどで,大学の規模や人的資源等々を考慮して,
120 目的,目標を設定し事前に提出することになっているが,規模,人的資源等に
121 ついては提出済みの「概要」の中にほとんど入っているので,目的,目標に
122 「概要」の部分も含めて提出すれば,二重に書かなくても済むのではないか。
123
124 ○ ○評価の基本スタンスが「各大学の個性と特色を尊重する評価」であるこ
125 とは結構である。統一的なフォーマットでの評価ではなく,個性を発揮するた
126 め各大学の自己評価と報告書作成における創意工夫を認めていただきたい。○
127 機構による大学評価の長期計画・構想を明らかにすべきである。○JABEE
128  や大学基準協会による評価との重複は避けるべきであり,また,評価機関間
129 のデータを相互に利用できるような工夫,フォーマットの統一を検討いただき
130 たい。○簡潔,明瞭,透明な評価作業のプロセスが望まれる。また,フィード
131 バックの具体的な方法を明示すべきである。○評価システムの進化を目標にし
132 て,要項,手引書,評価方法の見直しが必要である。
133
134 ○ ○全学テーマ別評価について,平成12 年度に着手したテーマのうち「教
135 育サービスにおける社会貢献」については平成13 年度で完了するが,「教
136 養教育」については,13 年度,14 年度にまたがるので,13 年度に新
137 たにテーマを持つのであれば1 つにしてほしい。また,15 年度以降の本格
138 実施においては,全学テーマ別評価のテーマ設定は的を絞ってほしい。○分野
139 別教育評価・研究評価は,9 領域のうち理学系と医学系の2 領域が平成12
140  年度に着手されたが,13 ,14 年度中に残りすべてについて評価を実施
141 するのかどうか等,実施方針について早く知らせてほしい。○国立大学の毎年
142 度レビューが,当初の予定どおり平成13 年度から実施されるのか,実施する
143 ならば,実施計画や要項を早めに明示してほしい。
144
145 ○ ○学内の作業時期が3 ,4 月になるが,小規模大学ではその時期は手が
146 回らないので,スケジュールを調整してほしい。○全学テーマがその大学の目
147 的,目標の中で重点を置かれていないときは,そのテーマで評価することが,
148 その大学の目的,目標に変更を要求することになる可能性がある。いくつかの
149 テーマの中から大学が選択できるシステムに変える方向で検討してほしい。○
150 基本的には各大学が厳密な自己評価をし,それについて機構が評価し,評価に
151 基づいて改善点を出す,という方向にいけば大学の独自性が伸びていくのでは
152 ないか。○教育は長期にわたって評価するものだから,機構から評価の視点が
153 示されると日本の教員養成の在り方そのものに影響を与える可能性があるので,
154 慎重に検討してほしい。
155
156 ○ 教育活動の社会貢献については,どの大学もそのための目的,目標を具体
157 的に立てていないのではないか。業績として,今までの5 年間に行った社会
158 貢献をリストアップしなければならないが,今までやってきたことが目的,目
159 標に入らない場合もあり得るので,まず実状調査をし,今後5 年間それでやっ
160 てから評価した方がいいのではないか。
161
162 ○ これまでは,自分たちでパジェットを伴ったりするような形で目標を立て
163 られなかった。従って,「自由に書いてください」と言われても,書く方から
164 すると評価する側の視点が自分達の視点と違えば低く評価されるのではないか
165 という危惧がある。
166
167 ○ 現状の調査を猶予期間としてその間に目的を立てるべきではないか。
168
169 ○ 全学テーマ別評価は創設準備委員会の段階から問題となった。狙いは悪く
170 ないが行政側が考えている政策的な目標を各大学に強制すれば大学の個性をつ
171 ぶしてしまう恐れがあるので,慎重に扱った方がいいと思う。調査と評価は違
172 うので,実態がどうなっているかを調査することは結構であるが,それを性急
173 に評価すべきでない。また,アニュアルレポートを作ることになっているが,
174 この中に大学の目的,目標,基本的なものが入るか入らないか,基礎的なデー
175 タが出てくれば,それとテーマ別,分野別の評価の関係を問わなくてはいけな
176 くなる。従って,機構が考えている評価の全体像の位置付けを考えていただき
177 たい。
178
179 ○ 機構の評価の基本姿勢としてマニュアル化した評価からやっていくのか,
180 各大学にある程度まかせ,それを第三者が検証するという精神でいくのかが問
181 題である。基本的には,各大学の自己点検評価が基になるべきである。大学審
182 議会がその答申で第三者評価機関の設置を提言した精神は自己評価を第三者で
183 チェックする体制を作れということであった。それが基本的な姿勢であること
184 から,要望とともに,こうした原則を堅持してほしいということは入れるべき
185 だと思う。
186
187 ○ それは基本と思うが,一方でガイドライン的なものを示してもらわないと
188 書きづらいという意見があるのも事実である。
189
190 ○ 今,ドイツでは,各大学を個性化するためにマニュアル類は一切作ってい
191 ないが,それは一つの見識だと思う。やり方がわからないというころもあるか
192 もしれないが,それは大学が努力すべきである。各大学間で情報の交換が少な
193 いために,何が問題になっているのか十分理解されてないところもあるが,そ
194 れは国大協が努力すべきところである。
195
196 ○ 情報を伝えることは大切であり,一つの目標等で問題を問えば序列化する
197 かもしれないが,各大学の目的・目標は全部異なるからそうならないというこ
198 が判るような情報の伝達が必要である。
199
200 ○ 評価については,まだよくわからないところがある。各大学毎に特徴があ
201 るので,各大学の事情でマニュアルを見れば,それぞれ違う意見が出てくるこ
202 とは当然である。機構も今までやっていないことをやるので,初めからきちっ
203 とした評価ができるとは思えない。将来,こういう評価は大学の力となり,ま
204 た資源配分にも繋がっていくと思うが,当面は各大学がきちんと取捨選択をし,
205 それについて機構の意見を求めるかという形を機軸にすればやりやすいといっ
206 た意見が学内で強い。
207
208 ○ 本来我々の仕事は別のところにある。機構の評価の目的が明確でなく非効
209 率であるが,明確になれば効率が上がるのではないか。
210
211 ○ 機構の評価がいい形で進化していってほしいが,このラインによる評価の
212 ほかに,もう一つのラインが必要なのではないか。各大学がいい形の改善状況
213 を生み出す評価がどうしても必要であるが,これは機構に求めるというよりは,
214 むしろ機構以外のところで評価結果の状況を把握して,指標などを使ってきち
215 んと出していくことが必要だ。これが第8 常置委員会の一つの大きな役目だ
216 と思う。
217
218 ○ アンケートの意見で強かったことの一つは,手引きと実施要項が重複して
219 いるという問題である。そういう要望も入れておいていただきたい。
220
221 以上のような意見交換のあった後,委員長から次のように諮られ,異議なく了
222 承された。機構は4 月20 日に開催する大学評価委員会において平成13 年
223 度,14 年度に着手するテーマ,分野などを決定するということなので,これ
224 に対する第8 常置委員会としての要望書を大綱的・基本的に早急に取りまとめ,
225 非公式に機構に提出することとしたい。ご了承いただければ,その原案の作成
226 を委員長と作業チーム及び名古屋大学専門委員にご一任いただけないか。
227
228 2 .専門委員会B (目標評価委員会)への意見の検討について
229
230 委員長から,文部科学省の「目標評価委員会」に提出すべく取りまとめた資料
231 「中期目標・中期計画」のイメージ例」(「資料9 −2 」)について,専門委
232 員会B を通して「目標評価委員会」に反映させるようにしたいので,第8 常
233 置委員会のご意見を伺いたい旨述べられ,引続き,内田委員から,同資料につ
234 いて説明があった。ついで,次のような意見交換が行われた。
235
236 ○ このイメージ例は目標評価委員会における議論の論点を整理し,それをも
237 とにして作業チームが第3 バージョンとして用意したもの。特に問題となった
238 ことは,「質の高い授業担当能力を持つと評価された教員にのみ,授業開講権
239 を認めるシステムの導入」(4 頁右下)については,授業開講権という表現は行
240 き過ぎではないかという意見が出ている。それから,「サイテーション」の問
241 題(5 頁最下行)であり,サイテーションは分野によって違うので,十分注意
242 を要するという意見が出ている。
243
244 ○ これは大枠の話で,中期目標・中期計画に伴う予算申請が並列につくのか。
245
246 ○ 仕組みとして,中期計画に挙がってないものは予算が付かないので,挙げ
247 ざるを得ない。しかし,計画の認可に予算の裏付けがあって当然ではないかと
248 いう意見はもっともなので,最終版までには何らかの形で反映するようにした
249 い。
250
251 ○ 各大学が,記載する目標の領域は,それぞれの背景,歴史,個性に裏打ち
252 されたような目標を立てればよく,全て網羅的にたてる必要はない。その意味
253 では,重点目標を立てればいい。「中期目標は,原則として全学的な内容を記
254 載し,各部局毎の内容は,中期計画の中で記載する」(1 頁2 .−(2 ))と
255 いう表現では,各部局は部局の重点目標を立てなくてもいいというような誤解
256 を与えかねない気がする。全学目標と一貫性を保った各部局の重点目標を立て,
257 それに計画を付けて財政的な裏付けをとっていく作業が大事である。
258
259 ○ 中期目標は全大学に共通する内容を基本としつつ,中期計画では部局にも
260 かかわる事柄について記載するという発想をとっている。それから,これは法
261 律事項となるので,各大学がそれぞれの概念を持ち得るということではなく,
262 法律概念の下で具体的に何をするかということは各大学の個性であるが,全く
263 自由にできるということではないという前提に立っている。
264
265 ○ これと機構で行う評価との関係はどう考えられているのか。また,評価の
266 機能が機構の行う研究科・学部別の評価と全学的な評価とは別であるという前
267 提か。
268
269 ○ 目標の段階では,できるだけ全学的な観点で記載するという考え方の下で
270 イメージを書いている。しかし,実際の評価は,できるだけボトムアップとい
271 う形が中心になると考えている。その辺りの兼ね合いがポイントになる。
272
273 ○ 機構の評価はあくまでも現状の評価であり,こちらは5 年先の計画である。
274 研究教育面での評価を経ずに計画は立てられないはずであるが,過去のデータ
275 は部局別であるので,平成15 年から始めるとき一斉に全部の学部・学科・
276 研究科をやるのか,領域毎にやっていくのか,問題である。もし単年度で全部
277 をやらないのであれば,評価の結果を中期計画に反映させることはできない。
278 これはあくまでも計画ということになる。計画を査定するのであれば,これは
279 評価ではなく査定である。査定の前提に評価があろうが,それは従来,教育研
280 究評価とは全然別の基準であるはずである。その辺りが一緒くたになっている。
281
282 ○ 我々は機構の評価を予算配分に大きく繋げることには反対している。機構
283 がやる評価は,アカデミックな分野に限りアカデミックな分野の評価を予算配
284 分にどの程度反映させるかということは次の問題となる。それはできるだけ低
285 くおさえる方がいいと思っている。実際にそれを入れようとすると,少なくと
286 も各大学を一巡したものがなければ出てこないはずであるが,一斉にやるとは
287 思えない。主務省は機構の評価を参考にはするが,それが資源配分に直接的に
288 は影響しないと思う。
289
290 ○ 機構の評価委員会で教育研究に関する目標について詰めた議論をした。こ
291 こでは入口の問題と出口の問題があるが,出口を念頭に置いて評価という言葉
292 を用いた。当然,この入口と出口は矛盾をきたさないような形でやることが必
293 要だということで,差し当たり,こういうイメージを書いた。
294
295 ○ 先行の,独立行政法人と大学が違うのは,中期目標についても文部科学省
296 と話し合う余地があることだと,自分では理解している。中期計画は機関の長
297 が自分でやれることであるので,あまり自分を縛ることは書かない方がいい。
298
299 ○ このイメージで,はっきりしないことの一つに運営費交付金のことがある。
300 これは外形基準なりでなるべく平等に配ろうというものと,それ以外に,競争
301 的に配分しようとするもの,全く別のカテゴリーとしての新規事業の3 つぐ
302 らいの部分から成り立っている。今までは全部概算要求という形でかなり隠れ
303 ていたのが今度は表面に出てくることになるが,その仕分けがはっきりしてい
304 ない。そういうものを書き分けていくのが計画だと思う。計画を立てたときに
305 予算を付けるか付けないかは査定の問題であり,5 年後に,予算を付けたが
306 これしかできなかった,というのは評価の問題である。その辺を区別して考え
307 なければいけない。もしそうなると,あまり細かく教育・研究の目標を書くこ
308 とが望ましいかどうか,非常に疑問がある。また,機構が行う評価は学部・研
309 究科単位,あるいはテーマ別で行うが,それと中期計画なり中期目標とは,直
310 接の関係はない。その辺の区分けをした上で計画のイメージを出した方がいい
311 のではないか。
312
313 ○ 専門委員会B(目標評価委員会)では,機構の評価を予算に結びつける議論
314 は一切しておらず,予算に関しても不明確で,政策的経費の補正予算的なもの,
315 新規事業的なものがそれに当たるのではないかと思う。
316
317 ○ 専門委員会D のところで,運営費交付金などのところがもう少し詰まって
318 くれば,それを踏まえてイメージ例をもう少しステップアップする必要がある。
319 必ずしも国立大学の中だけでイメージ例を考えるのではなく,国立大学以外の
320 方々が国立大学の改革等の問題について,どのように理解していただけるかと
321 いうところも非常に重要なファクターである。
322
323 ○ 評価と査定は区別して考えていくべきだと思う。
324
325 ○ 社会に対して国立大学の目標をリストするという点ではこういったやり方
326 はいいと思うが,このイメージの位置付けについては大学の中で相当混乱が生
327 じてしまうのではないかと思う。中期目標を独立行政法人の通則法に基づいて
328 厳しく考えると,一種の契約と考えるべきものである。従って,位置付けはど
329 ういう形のものがあり得て,そのうちの何を想定したものか書いていただけれ
330 ば混乱は避けられる。
331
332 ○ 目標や評価の申請行為が可能として,ここのテリトリ−だけ書いてみたら
333 こうなるといった形になっており全体としての位置付けがはっきりしていない
334 ことは確かである。整合性が取れるようにしなければいけない。これの位置付
335 けに対する注釈が必要ではないか。
336
337 ○ 目的,目標から計画の方へ移行すると,計画であるからには,数値的なも
338 のにしなければいけない,財政や経営の裏付けがなければいけないという問題
339 が出てくる。そこにはなるべく踏み込まないようにして作られたということは
340 わかるが,そのために,逆に教育研究のところの計画・目標の設定が細かく具
341 体的になっている。しかし,重要なことはお金をもらうことであるので,経営
342 部分のウェートを高くしないといけないのではないか。教育研究の方は評価機
343 構が評価をし,自主努力でやるのだから,あまり細かいことを書き込まない方
344 が望ましいのではないか。
345
346 ○ 専門B の委員の間ではできるだけ大綱的,基本的ということで理解されて
347 いるが,文部科学省の目標評価委員会では非常に細かい意見が出てくる。
348
349 ○ 民間会社の人と評価について話すと,目標を立て,目標に対応して指標を
350 立てると必ず言う。ところが,ここではまだ目標と計画しか出ていない。指標
351 という概念を中に入れておかなければ,指標が計画の中に入ってしまうという
352 危なさがあるので,そこを注意してもらいたい。
353
354 ○ イメージ例についてはここに載せてあるものは確かにメニュー的なもので
355 参考になるが,本当は各大学が自分達で探して別のものを加え,ここにないよ
356 うなものを作っていくことが個性あふれる大学づくりになるのだと思う。主務
357 大臣による目標の指示,大学の計画,認可資源配分というサイクルの中で,ど
358 れくらい大学の自主性が保たれるかによってイメージ例の意義付けが違ってく
359 ると思うので,次のステップが大事ではないか。
360
361 ○ 財政的なことが切り離されている中で目標,計画を議論することは非常に
362 歯痒く思う。中期目標を立てろ,中期計画を出せというからには,その間のこ
363 とをきちんとサポートするという意図が国の方になければならないと思う。国
364 大協としては,そういう制度をきちんとしてほしいという要求,あるいは計画
365 案を出すという姿勢が必要なのではないか。
366
367  ○ 過日のシンポジウムで,評価に関する作業についてのイメージが稀薄で,
368  マニュアルもよく理解されていないと思われる大学が少なくないように感じた。
369  また,各大学間の意見交換の必要性を指摘する意見があったので,開設してい
370  る第8常置委員会のホームページに各大学の評価担当者が書き込める欄を作っ
371  て各大学が利用できるようにしてはいかがか。
372 
373  以上のような意見交換があった後,委員長から,本日いただいた「中期目標・
374  中期計画のイメージ例」も含め,お気づきの点があればお寄せいただき,それ
375  らを専門委員会B の作業チーム等で検討し,文部科学省の目標評価委員会に
376  臨みたいと思っている旨述べられた。また,併せて委員長から第8 常置委員
377  会のホームページに書きこみが可能な「掲示板」を設置する旨発言があった。
378 
379  3 .その他
380 
381  次回を5 月21 日(月)に,次々回を6 月22 日(金)に開催することを
382  確認し,その次の開催日時を平成13 年8 月9 日(木)13 時にすること

383  を決定した。以上をもって本日の議事を終了した。

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