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理工系人材の養成を 博士号取得者の不足も指摘 科学技術白書
2001.6.09 he-forum 2160] 東京新聞06/19
『東京新聞』2001年6月19日付夕刊
理工系人材の養成を 博士号取得者の不足も指摘 科学技術白書
二〇〇〇年度の科学技術白書が十九日、閣議で報告され、了承された。科学技術庁と文部省が文部科学省に再編されてから初の白書。今回は「大学の理工系教育」など、教育にかかわる記述が増えたのが特徴だ。
白書は、少子高齢化社会を迎えて人材確保が困難になると予想される中で、研究者や技術者の“卵”となる優秀な理工系人材の養成を重要な課題とした。近年、先端分野の大学院研究科の設置を重点的に進めた結果、大学院進学者は修士、博士課程とも増加。しかし、博士号の取得者数は米国のわずか四分の一、独の半分にすぎない現状を指摘。逆に中国に迫られているのが現状で、「博士号取得者は不足と言わざるを得ない」とした。
その一因として、民間企業の博士採用が少ないことを指摘。白書では博士の採用実績がある企業に初めて聞き取り調査を実施したが、「研究現場が活性化した」と評価する声が多かった一方で、「特定分野に偏向している」「協調性が欠如している」などの批判も。「幅広い視野と高度で学際的な知識を持った博士の役割はますます重要になり、産官学の協力体制の推進も不可欠」と結論付けた。