独行法反対首都圏ネットワーク |
千葉大文学部意見表明
2001.6.13 [he-forum 2110] 千葉大文学部意見表明
千葉大学文学部の石井正人です。
千葉大学文学部教員有志27名は、連署の上、以下の意見表明を行い、6月11日に国立大学協会事務局に届けましたのでお知らせいたします。
国立大学「独法化」をめぐる最近の展開に関して(意見表明)
国立大学の「独立行政法人化」をめぐっては当初から、「効率化」や「市場原理」の名のもとに教育、研究が切り捨てられる危険性、また、主務官庁による「目標」の指示とそれに基く予算の配分、「評価」、組織「改廃」の決定という形で、大学に対する管理、統制が強まる恐れが指摘されてきた。
さらに最近の文部科学省「調査検討会議」の議論においては、教学と経営の分離、学長選出方法の改変や教授会からの人事権剥奪等も検討されるに至っており、「独法化」は大学が自由な学問研究、教育活動を展開していくために必要な自治を保証されるか否かという、まさに大学という存在の根幹に関わる問題であることが明らかになりつつある。
こうした中、国大協設置形態特別委員会は、「国立大学法人化の枠組」と題する文書を作成し、同文書は二〇〇一年六月の国大協総会に提出される予定である。しかしこの「枠組」は、(一)主務官庁による目標の指示と評価という「独法化」の基本的構想をほぼそのまま受け入れるだけでなく、(二)学長選出に「外部者の意見を反映させる」ことを明言し、(三)大学運営への「外部有識者」の参画を進めるための三類型を示し、(四)評議会、教授会を「審議機関」化し、(五)教職員の「非公務員型」化の可能性、「任期制」の積極的推進を提案するなど、「独法化」、大学破壊路線に迎合し、大学の自治と学問の自由を自ら投げ捨てる内容となっている。
「独法化」が大学の未来に及ぼすであろう破壊的影響が明らかになりつつある今、われわれは、大学における教育、研究の発展に、ひいては将来の社会全体の健全な発展に責任を負う大学人としての厳粛な自覚に基いて、「独法化」の動きに明確に反対する。
二〇〇一年六月一一日 千葉大学文学部教員有志
国立大学協会会長・設置形態検討特別委員会委員長