独行法反対首都圏ネットワーク


東大地震研職組、国大協へ要望書提出
2001.6.11 [he-forum 2088]  東大地震研職組、国大協へ要望書提出


東京大学職員組合(東職)です。


 東職加盟単組である、東京大学地震研究所職員組合は、6/11に下記の要望書を国大協へ提出しましたので、ご紹介します。


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国立大学協会

会長 長尾 真 殿
会 員 各 位


要 望 書


国立大学協会第108回総会において5.21設置形態検討特別委員会提案の了承・決定を行わないよう要望します.


2001年6月11日


東京大学地震研究所職員組合
執行委員長 平田 安廣


 貴協会の日頃の活動に敬意を表します.

 国立大学の独立行政法人化をめぐる問題は,小泉首相が5月11日の国会答弁で大学民営化を打ち出し,これに対応して文部科学省が民営化も視野にいれた方策の検討を開始したことによって新たな局面にはいったと認識しています.実際,去る5月31日付文部科学省調査組織業務委員会「組織業務に関する考え方の方針(案)」の文書には,(業務 の範囲)の項目で現行の国立大学が行っている業務内容を述べた後に(他の法人への出資)として,以下のように述べています.「これらの業務の一部については,大学とは別の法人に実施させることにより,業務のアウトソーシングによる効率的な運営や弾力的な事業展開の実現,・・・,国立大学法人(仮称)からこれらの法人への出資も可能にする」.
 この提起について,マスコミ(日経・毎日・東京新聞)は一斉に,「国立大学の付属学校や付属病院,研究所を大学と切り離して民営化する」方針と報じました.これらのマスコミ分析によれば,本地震研究所等の附置研究所も東京大学本体から切り離され別法人,やがては民営化の危険があるということになります.この危険は,その後の事態の展開によっていっそう現実的になっています.すなわち,6月5日遠山文部科学相は民主党議員の質問に「聖域なき改革ということから言えば,諸機能のうち民間にゆだねられるものがあれば,ゆだねた上で法人化するという視点は当然だ」と答えています.
 このような情勢のなかで貴協会は,同設置形態検討特別委員会の5月21日付文書において,残念ながら明確に民営化に反対の意思は表明していません.そればかりか,職員身分の非公務員型の可能性に言及することによって民営化への道も可能とするかに見えます.
 また,6月1日長尾特別委員長(会長)がマスコミへの説明の際添付した「改革の枠組みの要点」には,第一項目に,この非公務員型の検討がうたわれていることも,我々の不安を一層拡大させています.こうして,5.21文書は,貴協会が繰り返し反対を表明してきた通則法による独法化からさらに一歩進んで,民営化にも道を開くものとなっているという危惧を抱かざるをえません.つまり,今事態は大学の学外者管理,更には,教職員の身分の非公務員化と大学の諸機能,諸機関の部分的な大学本体からの切り離し,民営化という危険な方向に進みつつあるのではないでしょうか.
 そもそも,大学の附置研究所は,大学の中で共同して特定の領域の科学・技術研究を発展させるための中核として設置されたものです.
 地震研究所は,1923年の関東大震災の大惨害を目の当たりにして,地震学・火山学の基礎研究と,それらの災害の軽減を目的に1925年に設置され,1949年からは大学附置の研究所として,東京大学の学部・研究科・附置研究所と密接な関係を保ちながら研究・教育を続けてきました.さらに,1994年からは,東京大学附置の全国共同利用研究所として改組し,当該領域の中核研究所として,全国の大学と一体となって業務を展開しています.
 地震研究所の設置目的にもとづく研究・教育活動を行っていくためには,総合大学としての一体性や共同利用機関として全国の大学との一体性を保つことは極めて重要です.
現在,検討が行われている国立大学研究所の分離・別法人化は,このような一体性を解体し,やがて民営化・切り捨てへと繋がるものであり,到底受け入れることはできません.
 貴協会が6月12〜13日定例総会において,大学の分解と民営化に道を開く危険のある 5.21設置形態検討特別委員会文書を明確に退け,通則法に基づく独法化反対,民営化反対の見地を堅持するよう要望いたします.


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