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市場原理による大学改革に疑問
2001.6.8 [he-forum 2068] 「市場原理による大学改革に疑問」(北海道新聞読者の声より)
北海道新聞6月6日朝刊 読者の声欄より
市場原理による大学改革に疑問
2日の道新朝刊「国立大学改革『法人化で』」の記事にわが目を疑った。長尾真国立大協会長によれば、「国立大が自己責任を明確にする改革を行う決心をした」から、国大協は国立大学の独立行政法人化を支持する、というのだ。
「自己責任」とは本来、経済主体に対する用語ではないか。研究・教育活動を本務とする大学の「自己責任」とはいかなるものか。国立大学が経済主体として「自己責任」に基づいて行動するなら、そこには優勝劣敗と独占という市場の法則が作用することになる。そして国鉄解体の場合と同様に地方の大学、採算性の悪い大学は自治体や民間に、切り売りされ、やがては縮小・廃止の道をたどるに違いない。
折しも、経済財政諮問会議が国土の「均衡ある発展」から都市中心の行政体制づくりへと、財政構造を転換する方針を打ち出した。このままだと、国と国大協が共同して地域の高等教育の機会を奪う政策を進める道を歩むことになる。だがそれは、決して国民の多数が望む大学改革の在り方ではないと思う。