独行法反対首都圏ネットワーク


北大職組、国大協会長らに要求書、送付
2001.6.8 [he-forum 2063] 北大職組、国大協会長らに要求書、送付

he-forumのML 各位

 神沼公三郎(北大職組委員長)です。6月1日の国大協理事会のあと開かれた記者会見で国大協会長が配布した文書に関して、一昨日(6月6日)、富山大学の浜本さんが鋭い問題提起をされ、また首都圏ネットワークがすかさず浜本さんの問題提起の正当性を補完されました。
 本日(6月8日)、北大職組は、この問題について国大協会長と北大学長にあてて要求書を送付しましたので、ここにご案内いたします。
 ここではまず国大協会長あて文書を全文、ご紹介します。北大学長あて文書は、非常に細かな点を除けば、最初のタイトルと最後の部分だけが異なりますので、それらの部分のみご紹介いたします。


(国大協会長あて)*****************************

                              2001年6月8日
  国立大学協会
  会長 長尾 真   様


                           北海道大学教職員組合

                           委員長 神沼 公三郎


           事態の全容を明らかにしたうえで引責辞任するよう要求します


5月21日の国大協設置形態検討特別委員会ののち、6月1日に国大協理事会が開催されましたが、理事会後の記者会見で貴職(設置形態検討特別委員会委員長)は次の3つの文書を配布しました。


  「2001年6月1日   国立大学協会設置形態検討特別委員会

                     国立大学の法人化についての要旨」
  「国立大学法人化についての基本的考え方  平成13年5月21日
                    国立大学協会設置形態検討特別委員会」
  「国立大学法人化の枠組   平成13年5月21日
                    国立大学協会設置形態検討特別委員会」


 これらの文書をそれぞれ「要旨」、「基本的考え方」、「枠組」と呼ぶことにします。「要旨」はそのタイトルからして「基本的考え方」と「枠組」を要約したものであるのが当然ですが、実際には「基本的考え方」よりも「枠組」の内容を大きく取り上げるとともに、その両者に書かれていないことも書いてあります。そのため、すでに「要旨」と「基本的考え方」・「枠組」との内容的相互関係について全国から鋭い疑問が提示されています。


 そこに6月5日づけで、国大協事務局長名による文書「記者会見における追加資料の送付について」(国大協総第57号)が発信されました。この第57号文書は設置形態検討特別委員会委員・専門委員・オブザーバーにあてて発信されただけで、全国立大学に向けては送付されていないのではないかと思われます。もしそうだとすると情報の限定的伝達であり、ここにも国大協の基本姿勢の一端があらわれています。


 第57号文書は、「既にお知らせしたとおり、6月1日開催の理事会終了後、会長が設置形態検討特別委員会委員長として記者会見を行いましたが、その席で設置形態検討特別委員会の取りまとめとは別に、委員長作成の別添資料も配付されておりますので、ご参考までにお送りいたします。」と述べて、「要旨」を添付しています。


 つまり第57号文書は、「要旨」が「設置形態検討特別委員会の取りまとめとは別」であり、貴職によって個人的に「作成」されたものであることを明示しています。こうして、さきの疑問は完全に氷解したのですが、この文書から判断すると、「要旨」は恐らく理事会にも提出されなかったのではないかと思われます。国大協内部の機関の議を経ていないにもかかわらずあえて「国立大学協会設置形態検討特別委員会」名を付した文書を、貴職はなぜ記者会見の場で配布したのでしょうか。


 うえに述べたとおり、「要旨」には明らかに"要旨"の範囲を逸脱した部分があります。例えばその最後は、「・・・社会の意見を反映する仕組を持たない独立行政法人通則法にくらべて、はるかに良い制度設計になっている・・・」という記述になっていますが、このような記述は「基本的考え方」及び「枠組」のどこにも見られません。この箇所は明らかに貴職の独断であり、いま独法化問題を真剣に考えている国立大学関係者の気持ちを逆なでするものです。


 また、記者会見で発表された3つの文書は「要旨」→「基本的考え方」→「枠組」という優先順位で構成されていますが、これも意図的です。この順序に従うと、「要旨」を読むだけで「設置形態検討特別委員会の取りまとめ」を理解できると判断しかねません。


 以上のような諸点からは、個人的に書いた「要旨」を用いて、国大協があたかも「基本的考え方」と「枠組」、とりわけ「枠組」の内容でまとまりつつあるような印象を記者会見出席者に与えるのが、貴職の目的だったのではないかという合理的な疑いが生じます。事実その結果、6月2日の新聞各紙は貴職が意図したとおりの論調を展開することとなりました。


 「要旨」をめぐる貴職の行為は誠に意図的ですが、そのような行為が国大協会長にふさわしくないのはいうまでもないことです。そのため貴職の行為の動機、背景、事実関係などが徹底的に明らかにされる必要があります。


 北大教職員組合は貴職に対して、貴職自身が強調してやまないアカウンタビリティーを十分に発揮するため、事実を全面的に明らかにするよう要求します。そのうえで貴職は、国大協会長と設置形態検討特別委員会委員長を引責辞任するのが当然であると考えます。

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(北大学長あて)*****************************

                              2001年6月8日
 北海道大学
 学長 中村 睦男  様
  
                           北海道大学教職員組合
                           委員長 神沼 公三郎


        長尾会長に事態の全容解明を求め、その結果を北大構成員に説明するよう要求します


・・・・・・

・・・・・・
・・・・・・
(国大協会長あて要求書の最終パラグラフにかえて、次の二つのパラグラフ)


 北大教職員組合は貴職に対して、6月12日の国大協総会の冒頭で長尾会長に十分な説明を求め、事態の全容を明らかにするよう奮闘すること、また国大協総会ののち北大の構成員に、今回の全容を委細漏らさず伝えることを要求します。また長尾会長に対しては、会長自身が強調してやまないアカウンタビリティーを十分に発揮するため、事実を全面的に述べるよう要求します。そのうえで長尾会長は、国大協会長と設置形態検討特別委員会委員長を引責辞任するのが当然であると考えます。
 なお貴職には、北大において独法化問題に関する議論を喚起するとともに、教職員・院生・学生の声を十分にくみ上げるようあらためて要求します。

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神沼 公三郎(かぬま きんざぶろう)


北海道大学北方生物圏フィールド科学センター

森林圏ステーション
〒060-0809 札幌市北区北9条西9丁目
  Tel.011-706-3853(ダイヤル・イン)
  Fax.011-706-3450
  E-mail:kanuma@fsc.hokudai.ac.jp
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*Mailアドレスが変更になり、上記のとおりとな
 りました。
*2001年4月1日づけで農学部、理学部、水産学
 部などの計10施設が合体して、上の組織が発足
 しました。



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