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大学院も信賞必罰 博士号少なきゃ経費あげません、
国立付属病院など民営化示唆
2001.6.6 [he-forum 2031、2032] 東京新聞06/05
『東京新聞』2001年6月5日付夕刊(1)
大学院も信賞必罰 博士号少なきゃ経費あげません
「博士号の授与が少い大学院には、重点化経費をあげません」―。文部科学省が国立大学長にあてて、こんな通知を出した。博士課程を持つ大学院の中で、教育熱心なところは優遇するが、不十分なところは冷遇するという意思表示だ。経費の支給対象は約一千専攻ある博士課程のうち年間三十五専攻。選ばれれば理系で最高一億円以上が獲得できるだけに、博士の養成に力を入れる大学院が増えてきそうだ。
対象となるのは、二〇〇一年度の教育研究拠点形成支援経費(施設整備費を含む)の新規分から。社会人を対象としたコースを設けたり、留学生の教育に力を入れるなど、博士の育成に力を入れている大学には、特別に三年間、研究費や設備費を上乗せして支給する。
卓越した教育・研究を行うために九百万円、最先端設備を購入するためなどに二千七百万―八千百万円を支給。このほか、外国人研究者を招へいしたり、若手研究員を非常勤で雇ったりする経費も含めて、本年度の総額は約四十三億円(うち十億円は前年度継続分)に達する。
同省では、この経費の配分に当たり、過去三年間に一度も博士号の授与率が三割を上回らなかった大学は「原則として対象としない」ことを初めて盛り込んだ。博士号の授与率がなかなか上がらないため、改善を促すのが目的だ。
同省によると、大学院博士課程の入学者の博士号取得率(一九九八年度)は国公私立平均で六七%。理科系は七九%に達しているが、文科系では二一%にすぎない。
国立大学は私立より取得率が高いが、それでも人文科学分野では平均三割未満。博士課程にいっても、学位(博士号)を取得する学生の方が少ないのが実態だ。
五月末の国立大学事務局長会議では、工藤智規高等教育局長が「あまりにも授与率が悪い。博士号がもらえないのは、学生の出来が悪いか、機能していないかどちらか。改善が見られないと(経費を)どんどん減らしていく」と発言。
同省では今後も、信賞必罰で配分をする方針だ。
東京新聞』2001年6月5日付夕刊(2)
国立付属病院など民営化示唆
遠山敦子文部科学相は五日、衆院文部科学委員会で、国立大学の民営化について「聖域なき改革ということから言えば、諸機能のうち民間にゆだねられるものがあれば、ゆだねた上で法人化するという視点は当然だ」と述べ、付属学校や付属病院など一部組織を民営化する可能性を示唆した。
国立大学本体については「大学改革の一環として法人化を検討中」だとして、民営化より法人化の検討を進める方針を明らかにした。
藤村修議員(民主党)の質問に答えた。