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文科相に大学民営化迫った小泉首相
2001.6.4 {he-forum 2022] 読売新聞06/04


『読売新聞』2001年6月4日付


民活内閣 政官との攻防


3閣僚は「即戦力」


文科相に大学民営化迫った小泉首相


 「それでは現状維持じゃないか」


 小泉首相は5月18日、首相官邸を訪れた遠山敦子文部科学相(62)に、珍しく声を荒げた。首相が同11日の参院本会議で国立大の民営化に賛意を表したことに対し、旧文部官僚出身の遠山氏が国立大側の意向を代弁するかのように、「国立大は既に独立行政法人化が決まっている。民営化には大学側の反発が強い」と説明したためだ。


 首相は「小泉内閣は改革断行内閣だ。あなたはその目玉の1人なのに、改革の意思が感じられない」とも語り、遠山氏に「聖域なき改革」への奮起を促した。


 首相は、17閣僚のうち竹中、遠山両氏、川口順子環境相(60)の民間人3人を起用した。1946年の第1次吉田内閣の4人に次ぐ多さだ。

 3氏は国会答弁や実務を無難にこなし、「即戦力」(小野元之文部科学次官)となっている。遠山氏は文化庁長官やトルコ大使を歴任し、川口氏も旧通産省の官僚出身。慶大教授の竹中氏も、政府系金融機関の日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)での勤務経験がある。政権発足が国会開会中だったため、「行政組織と無縁の人では、とても国会を乗り切れない」(内閣府幹部)という事情もあった。


 竹中氏は、頻繁にテレビ出演し、構造改革の重要性を分かりやすく解説。「小泉内閣の広告塔」の役割を果たしている。首相や閣僚が国民と直接対話するタウンミーティングにも、初集会から積極的に参加する。「国民的な抵抗への唯一の対抗力は世論の賛同。国民と対話することが重要だ」との考えからだ。


 川口氏も、今年1月に始まった環境省独自のタウンミーティングで仙台など4都市を行脚し、環境政策のPRに務めている。

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