独行法反対首都圏ネットワーク |
5/24参院文教科学委員会での国大民営化質疑
2001.6.4 [he-forum 2020] 5/24参院文教科学委員会での国大民営化質疑
平成13年 5月24日参議院文教科学委員会議事録より
<民主党本岡議員の質疑の中の国立大学民営化に関する部分>
○本岡昭次君
実は参議院の本会議で、民主党の質問の中に、民主党は国立大学の民営化あるいは地方化の問題を考えているんだがという質問をしたときに、小泉総理が民主党の国立大学民営化の大学改革案は賛成ですとおっしゃって私はびっくりしたんですが、そして、「国立大学でも民営化できるところは民営化する、地方に譲るべきものは地方に譲るという、こういう視点が大事だ」と答弁されました。こうなったら全く民主党の言っていることと一緒でありまして、だから、私は、先ほど言ったように、変わるということはこういうことで変わっていくのかなとも思い、しかし、さりとはいえ私は小泉政権を支持するというわけにもまいらぬし、困ったことだなというふうに正直思っているところであります。
そこで、遠山大臣は、この小泉総理の民営化答弁、これをどうしますか。何か気まぐれに総理が参議院の本会議でおっしゃったんだというふうに片づけられますか。それとも、これは本会議における答弁であるということで、文部科学省としてこれを受けとめて、この民営化、地方化の問題の検討をされますか。
○副大臣(岸田文雄君) まず、そもそも独立行政法人制度は、国の行政機能のうち、まず民間や地方にゆだねることが可能なものがないか、そして可能なものはできる限りゆだねた上で、それが困難なものを独立行政法人化するというのが議論の道筋だというふうに考えております。
ですから、国立大学もその道筋で考えなければいけないと思っておりますので、国立大学を独立行政法人化する場合も、国立大学が担っている諸機能のうち、民間や地方にゆだねられるものがあればまずこれをゆだねた上で、そしてそれが不可能なものを独立行政法人化する、独立行政法人に移行する、これが考え方だというふうに思っております。
文部科学省もそういった考えのもとに独立行政法人化を考えておりますので、その中での民間とのかかわり云々を考えますときに、総理の答弁は必ずしもその方針とは矛盾しないと考えております。
○本岡昭次君 委員長、私は大臣に聞いているんですが、副大臣が答弁される。
○国務大臣(遠山敦子君) 先ほどのお答え、御質問に対する副大臣のお答えは私の考えと全く同等でございます。
少しつけ加えますれば、今、文部科学省では、昨年と一昨年の閣議決定を踏まえまして、国立大学の独立行政法人化について検討が進んでいるわけでございますが、その際、通則法のままでは大学の自主性尊重などの観点に照らして適当でない面もあるということから、大学改革の一環として具体的な制度のあり方などの検討を進めているところでございます。
その独立行政法人とは何ぞや、あるいはそれをどのように現実に移していくかということの考え方については副大臣が答弁いたしましたとおりでございます。
○本岡昭次君 同じような点で、郵政三事業の民営化問題も、これは公社化というのがもう現に進んで来年その法律を出すというときに、小泉総理は、これは民営化だと、こうおっしゃっているわけで、私は民営化の方向に持っていくんだ、公社化、その後は民営化だと、その議論を並行してやって何で悪いと、こうおっしゃっているんですよ。
この大学の民営化だって同じことですよ。総理が、民営化は結構だと、こうおっしゃった。民営化、地方化を検討しようと、こうおっしゃれば、独立行政法人の問題は、それはもう今、あすの問題と言っているけれども、その問題を議論しなければ、小泉総理のおっしゃっていることと文部科学省がやろうとしていることが一致しない、内閣の不一致とかいうふうな範疇に、遠山大臣、入ることになりますよ。いかがですか。私はこれを追及していきますがね。今言ったように、民営化というのは文部科学省としてはとらないというふうにしか今の話では受け取れませんからね。どうなんです、そこをはっきりさせてください、一言で。
○国務大臣(遠山敦子君) 総理は、先日の質疑におきまして、国立大学の有している機能のうち、民間や地方にゆだねられるべきものは可能な限りこれをゆだねるという視点が大事だ、この点ではほかの分野と同じように考えていくべきだというお考えを示されたものだと思っております。私どもはその意味で総理の答弁を受け取っているところでございます。
○本岡昭次君 私も国立大学の民営化問題をこの委員会で今までも論議してきましたが、そのときは、もう旧文部省は取り合わず、勝手に本岡が言っておるだけじゃないかというふうなことであったが、もう今度はそうはいかぬということでありますから、そのつもりでこの議論はかみ合わせていただきたいと思います。よろしいですね、そのことは。
○国務大臣(遠山敦子君) 私どもは、今、独立行政法人化の問題について検討しているところでございまして、その検討の結果を待って、きちっとした形でまた御議論をいただくことになろうかと思います。
○本岡昭次君 またこれは小泉総理と議論する場があればやりたいし、また民主党として小泉総理といろいろこれから議論するときに、文部科学省の立場というもの、今の答弁では全然これはかみ合っていませんから、明らかにしていきたいというふうに思います。今の答弁では私は納得できません。また改めて議論をさらにさせていただきます。