規制改革は6分野73項目
2001.6.3 [he-forum 2016] 規制改革は6分野73項目(読売新聞)
規制改革は6分野73項目
読売新聞ニュース速報
小泉首相の諮問機関「総合規制改革会議」(議長・宮内義彦オリックス会長)が取り組む改革課題をまとめた「重点検討分野における論点」の全文が二日、明らかになった。
雇用環境の変化に対応し、フリーターなどの短期間労働者への雇用保険の適用などを盛り込んだほか、首相が重視する働く女性の支援策として、認可基準の緩和などによる保育所不足解消を目指している。国民生活に密接な分野への競争原理導入に力点を置いているのが特徴だ。
論点は、福祉・保育、労働など六分野の計七十三項目。同会議はこの論点をもとに論議を進め、十月に最終的な検討結果をまとめて来年の通常国会への関連法案提出につなげたい考えだ。ただ、政省令改正や通達で実施できる規制改革などについては、七月中に一部を前倒し決定する予定だ。
論点のうち労働分野では、終身雇用制を前提とする現在の雇用体系を見直すため、最近急増している若者を中心とするフリーターなどの短期間労働者や派遣労働者への雇用保険の適用拡大や、転職の障害になる勤続年数に応じた年金税制の是正などを検討する。
また、不良債権の最終処理などによる企業倒産や失業者の増加を想定して職業訓練を重視。現在のブルーカラー中心の公共職業訓練体制を見直し、民間の能力開発機関に業務委託や補助を行い、新産業向けの訓練を可能にする。
福祉・保育分野では、〈1〉「二十人以上」という認可保育所の定員規制を撤廃し、小規模の保育所設置を可能にする〈2〉社会福祉法人に限って支給される保育所建設費補助金を一般の民間事業者にも支給する――などの制度改革により、全国で三万三千人以上とされる保育所の入所待機児童を「二〇〇四年度までにゼロにする」との小泉政権の目標実現を後押しする。また、健康保険料免除や配偶者控除など専業主婦に対する優遇措置を是正、女性の就労率アップを目指す。さらに、現在は地方公共団体や社会福祉法人に限定されている特養老人ホームの設置を民間事業者にも認め、施設不足の解消を図る。
医療分野では、営利企業の病院経営への参入や、過去の治療実績に関する広告規制を緩和し、経営努力を促す。教育分野では、国立大学を独立行政法人化し、学部・学科編成を弾力・自由化して産業構造の変化への迅速な対応を図る。
[2001-06-03-03:00]
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総合規制改革会議の論点項目
読売新聞ニュース速報
二日明らかになった総合規制改革会議の論点項目は次の通り。
【医療】(一)医療サービスの効率化・質的向上=〈1〉診療報酬体系の見直し〈2〉レセプト(診療報酬明細書)、カルテの標準化と電子化〈3〉医療データベースの構築〈4〉保険者へのレセプトの一次審査権の付与〈5〉医療機関の情報開示〈6〉医療サービスの評価システムの構築
(二)競争的な医療市場の創出=〈1〉医療機関の経営形態規制、病床規制、広告規制のあり方〈2〉保険診療と保険外診療の併用のあり方〈3〉病診連携の推進と医療機関の機能分担のあり方〈4〉医療材料などの内外価格差の解消
(三)財政負担の軽減=略
(四)保険者機能の強化=略
【福祉・保育】(一)施設介護サービスへの民間参入促進=〈1〉特養老人ホームや介護施設サービスへの民間参入促進〈2〉介護施設サービスへの助成措置の見直し
(二)働く女性のための環境整備=〈1〉認可保育所の認可基準の見直し〈2〉認可外保育所への助成〈3〉都心部の認可外保育所への助成〈4〉公立保育所の民営事業者への運営委託推進〈5〉専業主婦に対する優遇措置の是正
【人材(労働)】(一)職業紹介サービスの効率化・質的向上=略
(二)個人主体の能力開発サービスの提供拡大=〈1〉民間による職業訓練〈2〉公共職業訓練の役割の整理・見直し〈3〉教育訓練給付制度の活用〈4〉企業向け能力開発助成金の見直し〈5〉個人の能力開発費に対する優遇税制の創設〈6〉大学・大学院活用型の高度能力開発促進
(三)個人の多様な働き方を可能とするシステムの構築=〈1〉有期雇用契約の上限期間の延長、対象労働者の拡大〈2〉裁量労働制の規制緩和〈3〉労働者派遣制度の派遣期間の延長、対象業務拡大〈4〉退職金税制のフラット化〈5〉年金のポータビリティー(転職対応性)の確保〈6〉解雇法制の整備の検討
(四)セーフティーネットの見直し=〈1〉再就職支援の拡充〈2〉短期間労働者、派遣労働者への失業給付の適用〈3〉雇用保険制度の見直し
【教育】(一)高等教育の質的向上=〈1〉大学における教育活動の活性化〈2〉社会人向け教育の充実〈3〉学部・学科編成の弾力化・自由化〈4〉社会人向け大学院設置規制の見直し〈5〉大学の情報公開の徹底と外部評価制度の整備〈6〉国立大学教員の流動化〈7〉自己啓発など国立大学の教官の活動の制度的拡大〈8〉国立大学の教官の発明に対するインセンティブの向上〈9〉国立大学の独立行政法人化〈10〉インターネットを通じた単位取得〈11〉インターンシップ制度の拡充〈12〉大学と産業界の連携強化〈13〉学生個人への補助
(二)初等・中等教育=略
【環境】=略
【都市再生】=略
[2001-06-03-03:07]
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