独行法反対首都圏ネットワーク


総長会見 教育体制の検討行う 入試制度変更も視野
2001.5.30[he-forum 1988] 東大新聞5/29

東京大学新聞 2001/5/29 第2132号


総長会見

教育体制の検討行う
入試制度変更も視野


 佐々木毅総長は15日、4月の就任以来初めてとなる記者会見で、学部前期課程の科類や進学振分け制度の見直しを含めた教育体制の検討していくことを明らかにした。具体的には学部長会議の下に教育体制の検討委員会を設け、各部局からの提案などを取りまとめ、論点整理を行う方針。早ければ来年度から改革に取り組みたい考えだ。また、昨秋から「東京大学21世紀学術経営戦略会議」(UT21会議)が取り組んできた「東大憲章」について、秋から起草を開始する予定だと語った。国立大学の法人化については、東大独自の「国立大学法人法案」の策定を引き続き目指していくとした。


東大憲章、秋から起草へ


 科類・進振り以外の教育の見直しに関する検討事項としては現時点で、▽大学院・学部の連続性と独立性▽教育活動の評価方法▽厳しい成績評価▽「学力低下」問題への対応▽前期。後期入試制度▽理V入試での「生物」必修化▽博士号の高価値化――などが挙がっている。

 法人化については、3月で学内の議論が一段落したとの見方を示し、今後は情報収集に当たるほか、総長・副学長を中心に検討を進めるとした。
 佐々木総長は教育改革の基本姿勢として、単なるカリキュラム改革に留まらず、教育という「活動」自体を充実するという点を示した。
 「従来の研究中心の体制を転換し教育に目を向ける必要がある」とも述べ、特に学部教育充実の必要性を強調。具体策として、学生の成績評価と教官の教育能力の点検を厳格に行うことを挙げた。同時に教育・研究の活動全体を社会に向けて積極的にアピールする必要があるとし、情報発信をさらに充実すると語った。
 現行の文理科3類ずつの科類編成は「文系と理系に分けること自体20世紀的な発想」とし、そのうえで制度の見直しに関して躊躇しない姿勢を明示した。
 入試制度については「学部教育の見直しを終えた上での『出口論』」と断った上で、高校生の学力状況をふまえ、さらに適切な入学者選考方針を見出していくとした。また「受身的に学生を受け入れているだけではいけない」と語り、AO制度導入の可能性を示唆した。
 「学力低下」については、「数学・物理系の教官は本当に危機感を持っている」と説明。さらに「東大の先生には高校生の現実に目を向けてもらいたい」と語り、この問題について東大教官の積極的な発言も期待した。
 文部科学省は、来年度から学科・講座の設置を自由化し、大学の裁量て行えるようにする方針だ。これに関連にして総長は既存の講座について、学生のニーズをみきわめた上で、どの程度の規模が合理的かを再検討し、バランスを取っていく必要があると述べた。
 会見ではその他教官人事の問題に触れ、現在常勤教員と非常勤教員の間にはおしなべて大きな待遇格差があると指摘。その上で、ボスドクを始めとする若手研究者の雇用を確保するため、常勤と非常動の中間に当たるような雇用形態を提案した。また、「教育ではマンパワーが必要」とも語り、パートタイマーや教育専門の教官などの導入も視野に入れているとした。
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