独行法反対首都圏ネットワーク


東職5/25声明を発表、6/12国大協総会へ代表団を派遣
2001.5.25 [he-forum 1971]  東職5/25声明を発表、6/12国大協総会へ代表団を派遣


東京大学職員組合(東職)です。


 東職は5月25日の執行委員会において、下記の声明を発表すること、及び6月12日の国大協総会当日に代表団を派遣することを決定しました。


 以下、東職声明をご紹介します。


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毅然として「大学の自治」を守るよう、国大協に訴える

−特別委員会文書「国立大学法人化についての基本的な考え方」について−


2001年5月25日

東京大学職員組合


 国大協設置形態検討特別委員会は、5月21日の会合において専門委員会連絡会議の原案「国立大学法人化についての基本的な考え方」を大筋で了承した。この原案は、若干の修正を経て6月12-13日の総会に提出される見込みである。かりにこの原案が総会で決定ないし了承されるなら、これによって独法化をめぐる国大協の公式の立場が確定されることになる。そのような意味で、原案はきわめて重要な文書である。
 それにもかかわらず、この原案は3週間ほどしかない短時日のうちに総会での決定をみようとしている。各国立大学の教授会や評議会での十分な議論は、これでは不可能である。教職員組合との協議もほとんどなしえないであろう。国大協は、このようなスケジュールで国立大学の意思を結集した意思決定をなしうると考えているのであろうか。われわれは、まず、こうした手続き上の不適切さに強い疑念を表明せざるをえない。
 加えて、以下に見るように、内容上も重大な問題点が含まれている。


 まず原案の最も基本的な問題点は、「大学の自主性・自律性の拡大」を法人化の目的として掲げつつ、具体的な制度の構想において大学の自主性・自立性を著しく損なう結果に帰着しているということである。別紙「国立大学法人化の1つのありうる枠組」は、「学外有識者の運営への参画を一層強化する」という観点から管理運営組織のあり方に関する3つの案を提案しているが、いずれも「経営財務」に関して学外者の関与を強めるという構成をとっている。他方で、学内者で構成する評議会や教授会の権限が縮小しているので、事実上の経営と教学の分離が意図されていると言わざるをえない。経営財務という大学運営の基本に外部からのコントロールが及ぶとすれば、もはや「大学の自治」を語ることはできない。「社会との連携」という名目による「外部からの入力」が第1の問題点である。


 意思決定権限を含む学長権限の強化、役員会の設置による執行機能の強化、それとパラレルな評議会、教授会権限の縮減も根本的な問題である。こうした組織編成は、構成員が平等な権利を有する組織の原理(民主主義)に反する。大学の本質的な性格に、これは背馳している。しかし、問題はそれだけではない。そのような執行権限優先の構造は、「外部からの入力」に適合的なものであり、そのためのものであるとも言える。構成員の自立した意思を基礎とする大学運営を廃棄し、「上からの」そして「外からの」決定に基づく大学運営のシステムを導入すること、それが原案の提案する制度構想に一貫するモチーフにほかならない。学長選考において、構成員による選挙制が意識的に文章から排除され、学外者の意見の反映が主張されているのもこれと軌を一にする。


 「学術研究は、ときの政治社会状況に左右されない自由な発想や、これまで真理・常識とされてきたことを疑うところから出発する。・・・大学は、既成の価値体系・価値観に拘束される存在であってはならない。いわゆる大学の自治が要請される実質的根拠は、この点にある。」「大学が、既成の価値体系を前提に成り立っている国や社会に縛られないということは、高等教育および学術研究の本質から要請される基本線である。」原案がこのように言うとき、「大学の自治」の本質が正しく把握されている、とわれわれは考える。もし、このような大学の自治論から出発すれば、けっしてこのような提案にはならないはずである。国大協がこうした大学の自治の原点に立って真摯に再考することをわれわれは要望する。


 さらに目標評価、人事制度、財務・会計などにも多くの問題があるが、ここではふれない。基本的な問題は、この原案が大学のあり方を根本的に変える可能性のある提案を含んでいるということであり、そうした提案が個別大学における十分な検討なしに決定されようとしていることである。われわれは、国大協が総会においてこの原案の了承・決定を行わないこと、大学の自治を堅持する立場に立って行動することを要求する。


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