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橿原市が管理へ 旧米谷家住宅 
2001.5.15 [he-forum 1926] 奈良新聞05/11


『奈良新聞』2001年5月11日付


橿原市が管理へ

旧米谷家住宅


 橿原市今井町の旧米谷家住宅(重要文化財)が、奈良国立文化財研究所(現奈良文化財研究所)の独立行政法人化に伴って閉鎖の危機にさらされていた問題で、橿原市は10日までに、同家の管理を引き受けることを決めた。近く文化庁から管理者の指定を受ける。


 米谷家住宅は18世紀中ごろの木造建築で、昭和31年、税金の物納で国の所有となった。同47年、重要文化財に指定され、無料で通年公開されている。


 国有文化財の管理は地方公共団体にゆだねるケースがほとんど。国は文化財保護法にもとづき、当該の市町村を「管理団体」に指定する。


 同家の場合、修理の必要性から奈良文化財研究所が直接管理してきた。ところが、今年4月に同研究所が独立行政法人に移行したことで、管理業務は対象外に。文化庁は橿原市に「管理団体」指定を打診したが、経費の負担を伴うため市は難色を示していた。


 同家には見学受け付けの係員が常駐しており、管理経費は年間200〜300万円。国が負担するのは巡視経費の十数万円で、残りがすべて市の負担となる。


 市教委文化財課は、「国民の財産を広く見てもらうために管理を引き受けることにした。できるだけ経費を押さえて公開を続けたい」と話している。4月上旬に文化庁の担当職員が市役所を訪れ、安曽田豊市長と直接話し合った。


 同家に隣接して市教委の今井町並保存整備事務所があり、見学の受け付けを同事務所で行うなどの方法を検討している。4月以降は文化庁が直接管理して
公開しており、今秋までに具体的な対応を決めてバトンタッチを受ける。

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