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教官研究費を業績で決定、論文など点数化 鳴門教育大学
2001.5.10 [he-forum 1904] 徳島新聞05/10
『徳島新聞』2001年5月10日付
教官研究費を業績で決定、論文など点数化 鳴門教育大学
鳴門教育大学(溝上泰学長)は、各教官に支給する研究費を算出する際に、学会発表などの業績をポイント化して評価する制度を本年度から取り入れた。
学内外での活動実績などを考慮して支給額に差をつけることで、教官に研究の方法や質を見直してもらい、大学の活性化を図るのが狙い。同大によると、こうした研究費の配分制度は全国的に例がないという。
研究費は、基本研究費と大学が独自判断で算出する研究費の二本柱で構成。基本研究費を除いた六割について、ポイント制を導入した「業績」、実験数などに応じた「教育研究」、共同研究を評価する「学内共同研究への取り組み」の三面を、学内の研究費検討専門委員会が審査し決める。
ポイント制を導入した業績の審査は<1>研究<2>教育<3>学内貢献<4>社会貢献の四分野で行い、六割のうちの四割を占める。
研究分野の審査対象は最近五年間の論文や学会発表など。学術書や論文を単独で書いた場合は五ポイント、共同で書いた場合は二ポイント、国内外の学会での講演や発表が〇・五ポイント−三ポイント、学会賞などを受ければ一−三ポイントを与える。芸術系の各種コンクールへの出展や出演も一−五ポイントが認められる。
教育分野では、大学院生らがつけた授業評価書を専門委員会に提出すれば五ポイントか一〇ポイント、最近三年間に留学生を指導していれば四ポイント。学内貢献と社会貢献の両分野は、最近三年間に学内や国際学会の役職に就いていたかなどを考慮して五ポイントか一〇ポイントを与える。
助手以上の教官百七十七人を対象とし、各教官が提出した自己申告書を専門委員会が審査。合計ポイント数でA、B、Cの三ランクに分けて支給額に差をつける。
業績のポイント制は、佐々木保行副学長らが昨年五月から検討。このほど開いた運営評議会で導入を決めた。
佐々木副学長は「大学が独自に配分できる研究費の枠が前年度から設けられ、どう配分すれば大学の特性が出せるかを考えてきた。単に教官に競争させるのではなく、自分の教育研究の方法や質の見直しにも役立つだろう」と話している。