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日本国際賞受賞者に聞く   米テキサス大学  J.グッドイナフ教授
2001.5.8 [he-forum 1897] 東京新聞05/08


『東京新聞』2001年5月8日付夕刊


  日本国際賞受賞者に聞く

  米テキサス大学  J.グッドイナフ教授


  関心あるのは"基礎研究"


  「発見当時は携帯電話もなく、現在のように使われるとは想像もしなかった」。研究を始めたのは、将来、太陽エネルギーを利用するようになれば、電力を高密度に蓄える電池が必要だと考えたからだという。
  このほか、金属化合物の電導性やコンピューターのメモリーに使う磁性体など、さまざまなテーマに取り組んできた。いずれも応用に近い分野だが、あくまで基礎研究だ。
  携帯電話やパソコンを超えた将来の応用について尋ねると「用途を考えることに関心がない。それは産業界にまかせればよい。より高いエネルギーを達成する物質を探すような、基本的な問題に興味があるのです」と笑う。
  米マサチューセッツ工科大の若手研究員時代、多くの同僚が大学での成果を持って民間企業に移った。
  「最初は産官学の連携が必要で、大学や研究所がその役割を果たす場だと考えていた。だが、国の進め方がまずく、基礎研究者が余計なことに力を使わなければならなくなった。産業界がやるべきことに国はお金を出すべきではないと思う」とも。
  最近では高価なコバルトに代え、マンガンや鉄を使った電極の研究を進める。
  テキサス州とニューハンプシャー州にある二つの自宅を行き来する。七十八歳。(永井理)

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