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独立法人化にらみ資金力強化 財界が九大後援会 年度内に財団法人設立 
2001.5.7 [he-forum 1893] 西日本新聞05/06

『西日本新聞』2001年5月6日付


独立法人化にらみ資金力強化 財界が九大後援会 年度内に財団法人設立 

 九州大の教育・研究や国際交流活動、施設整備を資金面で支援する財団法人「九州大学後援会」が本年度中にも発足する。福岡県内の企業のトップが、母体になる任意団体を結成し準備を進めており、近く文部科学省に財団法人化を申請、約二億三千万円の設立基金を基に、教官の研究費や学会開催経費などの支援をする。行政改革の一環として、国立大学を国の組織から分離する独立行政法人化が検討される中、独自の資金源確保を目指す大学側の呼び掛けに、地元経済界が応じた。九州・山口のほかの国立大にも、同様の支援態勢づくりの動きが広がりそうだ。


■学会経費や研究費支援 基金2億3000万円


 設立に向け準備を進めている団体は三月中旬に、大野茂・九州・山口経済連合会長(九電会長)や佃亮二・福岡銀行会長や石井幸孝・JR九州会長ら二十人で結成。この二十人が、財団法人の経営に当たり、大野会長が理事長に就任する。


 設立資金は九大の同窓生と教職員の寄付で準備した。計画によると、設立資金のうち、一億八千万円を基本財産として、金融機関へ預金。残る五千万円と利息収入を当面の運用資金に充てる。支援対象は、九大の名誉教授らでつくる審査会で決めるという。


 運用資金は大幅に増額したい意向だが、現在の超低金利では利息収入の増額は困難。大学側は今後、地元企業や海外からも幅広く寄付を募るため、地元経済界に受け皿となる財団設立を要請した。文部科学省によると、国立大の活動を資金面で支援する財団は一九八三年に鹿児島大で設立されたのをはじめ全国に二十前後ある。最近は全国的に設立計画が相次いでおり、民間資金をめぐる大学間競争は、私立大も交えて激しさを増すことも予想される。


 九大は、総額二千数百億円を投じ、キャンパス移転事業を推進中だが、杉岡洋一学長は「潤沢な寄付が受けられるかは、九大自身が社会に必要とされる魅力ある研究ができるかどうかにかかっている」と話している。

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