集 会 宣 言
今、国立大学の独立行政法人化をめぐる状況は、極めて重要な局面を迎えている。日本における大学制度の根幹に関わる大改変、「学問の自由」と「大学の自治」が破壊されかねない重大な危機を迎えている。
次第に明らかになった文部科学省の調査検討会議の検討内容は、経営と教学を分離し、評議会を廃止し、学外者を主体とする「運営協議会」などで大学運営の基本を決め、学長の選考もそこで行う、という重大なものである。大学における学問の自由は、大学が自らの意志を自ら決めること、つまり、大学自治によって保障されている。これが今、破壊されようとしている。
さらには、国立大学の民営化・地方移管までもが具体化しかねない状況すら生じている。
国大協は5月21日に行われる設置形態検討特別委員会で「中間まとめ」の原案を確定すると言われる。5月17日の「東京新聞」が報じるところがそれであるとすれば、これは通則法に基づく独法化である。
こうした事態に対し、本集会に集まった、東京大学をはじめとする全国の教職員、教員有志、教官OBなど大学を構成する様々な団体と個人は、次の諸点を要求する。
一 国大協は、大学の自律性・自治と学問の自由を毅然とした態度で擁護する立場に立つべきである。
一 国大協は、昨年6月総会の確認第1項に立ち帰り、通則法の枠組みに基づく独法化に反対する立場を貫くべきである。
一 国大協は、わたしたちの声を聞き、文部科学省の調査検討会議から決別し、大学独自の立場から、真摯な議論を尽くすべきである。
一 国大協は、大学自治の諸原則を強く主張すべきである。学外者の意思によって、大学が運営され、学長が選考されるようなことを認めてはならない。
大学は社会と歴史に責任を持たねばならない。わたしたちは、大学を破壊しようとする独法化に決然と反対の意志を表明する。
2001年5月18日
「大学が危ない!国立大学の独法化に反対する5.18緊急大集会」参加者一同