東職、5/11記者会見を実施!
5/11記者会見
日時:2001年5月11日(金)13:30〜15:00
場所:東京大学記者クラブ
出席:
田端博邦(東職執行委員長、東大社会科学研究所教授)
森田和哉(全大教書記長)
山口啓二(教官OB、元東大史料編纂所教授)
伊藤谷生(独立行政法人反対首都圏ネットワーク事務局、千葉大理学部教授)
記者=朝日新聞社、時事通信社、東京大学新聞社
会見のポイント:
◆東職 田端委員長
○ この集会は組合主催であるが、組合員による集会でないことをまず強調しておきたい。国立大学の独立行政法人化問題に異論のある人、すべてに開かれた集会である。東大に働く教員、職員はもちろん、学生・院生にも参加して欲しい。また北大、宮崎大など遠方の大学からも参加意思表明があった。地域市民の方も歓迎する。
○ 5/21国大協の特別委員会が中間まとめの原案を出すと見られ、6/12-13の国大協総会に提起されることとなる。また文部科学省も調査検討会議の中間報告骨子を出す。このような重要な時期に幅広い大学人の声をあげることが絶対に必要である。
◆全大教 森田書記長
○ 全大教ではこの重要な時期に、加盟単組である各大学が学長交渉などを通じて、国大協等への意見反映を徹底するよう、とりくみを行っている。
○ 全大教では3月に「独立行政法人化問題プロジェクト」において「国立大学等の独立行政法人化問題に関する政策的論点整理」(骨子)をまとめ、4月には「国立大学の改革と展望−独立行政法人化への対抗軸−」を緊急出版した。
◆独立行政法人反対首都圏ネットワーク 伊藤事務局員
○ 独立行政法人反対首都圏ネットワーク(以下、首都圏ネット)は声明「5.18東大安田講堂前緊急大集会に全国からの参加を訴える」を本日(5/11)付けで発表した。
○ その声明にもあるように、今年4月から独法化された国立研究機関などでは、運営費交付金を毎年1%ずつ削減することを中期計画に盛り込んでいる。また、自己収入も同様に一定の率で毎年増やすことが盛り込まれているようである。この2%の効率化を書かないと主務省庁が受け取らなかった、という話もある。このような状況は絶対に許してはならない。
◆教官OB 山口啓二・元東大史料編纂所教授
○ 1948年にGHQが各大学に民間人を入れた理事会を置くことを計画し、人事などはそこで決める、と言い出したとき、大学人の行動は早かった。たった1回会議を開いただけで、全国組織を作り上げた。
○戦後、「大学の自治」は何度も危機に晒され、その度に組合をはじめとした大学人は、声をあげ、行動し、それを阻んできた。国大協もその間、一貫して「大学の自治」を守るたたかいを続けてきた輝かしい歴史を持っているはずだ。今また大学が「独法化による大学自治の破壊」に晒されているとき、賢明かつ歴史に恥じない行動をするよう、強く訴えたい。
記者からの質問:▼=記者 ○=東職
▼ 東職発行の資料集の中に、経済産業省グループの「国立大学法人法案」が所収されているが、経産省がこの問題に関与してくることに意味はあるのか?
○ 経産省は、科学技術基本法を所管している。科学技術基本計画はこの法律に基づいているし、産学官連携の問題もある。経産省はこの大学の独法問題に大きな利害を持っていると言える。
▼ 文部科学省の議論はどこまでまとまっているのか。
○ 配布した資料の「組織業務委員会の状況と作業委員の立場」にもあるように、文科省の調査検討会議では組織業務委員から、公然と異論が出されている。特に「理事会システム等の導入」、「経営教学分離」など大学自治の根本に関わる議論については「議論をする場は今回の調査検討会議の中には設けられておらず」「性急な議論が、必要な準備なしに調査検討会議で展開されることは、国家・国民にとって不幸なことである」とまで言われている。あまりにも無茶な議論の方向に、文科省内にも分裂があるようだ。