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教授の仕事 点数評価 鳴門大が導入
2001.4.27 [he-forum 1857] asahi.com 04/26
asahi.com 2001年4月26日付
教授の仕事 点数評価 鳴門大が導入
鳴門教育大(徳島県鳴門市、溝上泰学長)は今年度から、教授らの業績をポイント制にし、研究費の支給額に反映させることを決めた。文部科学省によると、業績に応じた研究費の配分は、全国の国立大で導入が進みつつあるが、ポイント制の報告はないという。大学側は「競争することで大学を活性化したい」としている。大学教授も出来高払いの時代になる。
評価は、研究、教育、学内貢献、社会貢献の4分野。
研究分野では、最近5年間に書いた論文や学術書に対し、単独で書かれた著作には5ポイント、共著には2ポイントが与えられる。学会での講演や発表は0.5〜3ポイント、芸術系コンクールへの出展・出演は1〜5ポイントとなる。教育、学内貢献、社会貢献の3分野では、指導した学生や授業の数、学内、学会での役職、地域の講演などに応じて1〜10ポイントが加えられる。
各教官は自己申告書を出し、学内の「研究費検討専門委員会」が審査する。支給額はA、B、Cの3段階に分け、教授や助教授、助手などの役職にかかわらず、評価に合った金額が基本研究費に加算される仕組み。評価次第では、助手の研究費が教授を上回る場合もある。
99年に国が国立大の独立行政法人化を視野に、大学のあり方の見直しを始めたことで、大学内に活性化を求める機運が生まれた。昨年5月に佐々木保行副学長が委員長を務める「研究費等配分検討委員会」が作られた。委員会が、大学内から意見を募ったところ「論文の価値は本数じゃない」「領域ごとに不公平が出る」などの反発もあったが、19回の会合で評価基準を決め、今月中旬の評議会で導入が決まった。
広島大では00年度から科学研究費補助金(科研費)などの外部資金を獲得した教官に報奨金を出している。九州大でも研究費の傾斜配分を導入した。しかし、神戸大や滋賀大などでは配分方式についての検討が始まったばかりで、大阪大や京都大ではまだ目立った動きはないという。
鳴門教育大の試みについて、元一橋大教授の中谷巌・三和総研理事長は「階級制だった従来の配分を見直す試みとして画期的だ。今後、多くの大学に広まっていくだろう」と評価する。しかし、本間正明・大阪大副学長は「研究者の能力は、総合的に評価されるべきだ。数値化されない面での貢献を反映出来るかが課題になる」と指摘している。
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