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<国立大付属校>入試の見直し提言 公立校に近い存在に
2001.4.20 [he-forum 1840] <国立大付属校>入試の見直し提言 公立校に近い存在に(毎日新聞)
<国立大付属校>入試の見直し提言 公立校に近い存在に
毎日新聞ニュース速報
国立の教員養成系大学・学部のあり方を検討している文部科学省の懇談会は19日、国立大付属学校の入試方法の見直しを求める提言原案をまとめた。都市部を中心に「エリート校」化している付属校を、公立校に近い存在にして、教育学部などの研究にふさわしい学校にするのが狙い。大学が、付属校に積極的に関与して改善することを求めている。
国立学校設置法は、付属校の目的を、大学・学部の研究協力と教育実習の実施と規定しているが、付属校の児童・生徒を交えた研究は、あまり実施されていない。懇談会は、大学側が付属校に対して関心が薄いことや、付属校側が研究協力することで子供たちの教育に支障をきたすという意識が強いことなどを背景として指摘した。
原案は、付属校が、抽選を実施しながらも、学力テストを重視してレベルの高い子供を集めており「エリート校」「地域の別格の学校」と位置付けられていると指摘。「レベルの高い子供で編成されており、研究を行っても公立校では参考にならない原因になっている」とした。その上で、付属校が大学・学部の一部である意識を持つことを求め、入試の方法についての見直しが必要と提言した。
付属校の入試に関しては、1969年にも、優秀な者のみの選抜にならないようにする文部省通知が出されるなど、これまでも改善が求められてきたが、実現しなかった。
懇談会のメンバーからは「完全抽選制などで、公立校に近い形にするのがよい」という意見も出ており、文部科学省も「一般の教育に役立つ研究をするという本来の大学・付属校の姿になるべきだ」と積極的だ。さらに、これらの提言を、大学も付属校も受け入れない場合は「学校の廃止や私立化、公立化という選択肢もある」(同省)と強い姿勢も見せている。
懇談会は、教育系大学の組織や体制も含め、8月をめどに最終報告をまとめる。 【澤 圭一郎】