独行法反対首都圏ネットワーク


[独立行政法人]「効率化へ民間の知恵を生かせ」
2001.4.4 [he-forum 1792] 読売新聞社説04/05


『読売新聞』2001年4月5日付社説


 [独立行政法人]「効率化へ民間の知恵を生かせ」


 大学入試センターや東京、京都の国立近代美術館など、一府八省に所属していた八十四の国の機関が四月から、一部統合の上、五十七の独立行政法人として再スタートした。


 数年内にはさらに造幣事業、国立病院が独立行政法人に移行する。国立大学についても検討が進められている。


 独立行政法人の特色は、公共性に加えて自己責任の確立と透明性の拡大だという。業績を給与に反映させる制度も導入される。


 借金たれ流しの放漫経営やその不透明な体質が問題視されている特殊法人の二の舞いにならないよう、民間の合理的な経営手法を取り入れ、効率化やサービスの向上を図るということだろう。


 だが、役員人事などを見ると、実効性を懸念せざるを得ない。


 独立行政法人の長や役員は、業務運営や人事などに大幅な裁量権を持つ。例えば予算は所管官庁の毎年の縛りを受けずに、自己責任で柔軟に使える。


 こうした裁量権の拡大により、トップは、これまで以上に広い視野と高度な経営手腕が要求されるはずだ。


 トップの人材を広く内外に求めることが期待されたのも、それゆえだ。


 だが、民間出身者の登用は三人にとどまり、検討された公募も結局は行われなかった。


 移行期ゆえに大幅なトップの交代は無理だとしても、旧組織からの横滑り組ばかりでは、発想の転換も運営の刷新も、とても望めない。


 これでは「独立行政法人は“第二の特殊法人”になりかねない」との懸念が現実となってしまう。


 トップ人事を、安易に官僚の順送りや天下りで決めるべきではない。


 所管の各閣僚は今後、公募制の導入を含め、硬直化した組織を活性化できるような人事を断行していくべきだ。


 三年から五年ごとに見直される各法人の中期目標・計画も、事業の優先順位を明確にするなど、一層メリハリの利いた内容にする必要がある。


 独立行政法人は独立採算制ではなく、国からの交付金で運営される。


 各法人の業務経費の効率化目標・計画一つとってみても、「年間1%縮減」や「期間中に5%削減」といった横並びが目につく。


 結果的にそうなったにしても、各法人の目標や計画の立て方に、創意や工夫がまだ足りないことを示すものだ。


 独立行政法人への衣替えを機に、前例踏襲の悪弊を脱し、実績と将来性を重視した活力ある事業展開を図るべきだ。


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