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宮内庁書陵部の皇室関係文書は情報公開法の対象外に
2001.3.29 [he-forum 1767] 宮内庁書陵部の皇室関係文書は情報公開法の対象外に(朝日新聞)
宮内庁書陵部の皇室関係文書は情報公開法の対象外に
朝日新聞ニュース速報
情報公開法の施行(4月1日)を目前に、政府が同法の対象外に指定する207の施設が決まり、宮内庁書陵部など中央省庁の直轄施設が含まれることが28日、分かった。書陵部は皇室関係の文書を大量に所蔵、これまで研究用に限って一部しか公開してこなかった。宮内庁は閲覧条件を緩和するが、「未整理」を理由に多くの文書の非公開が続く見込みだ。法が適用されないため非公開への異議申し立てもできない。情報公開制度の骨抜きになりかねないと批判が出そうだ。30日付の総務省告示で指定する。
日本の情報公開法は、国のすべての行政機関を対象とする点に特色がある。ただ、公文書館や博物館に準じて総務相が対象外に指定する施設は本来、歴史的資料などを広く公開することを前提としている。ほとんどは国立大や高専の付属図書館だが、防衛研究所図書館の史料閲覧室、外交史料館、租税史料館なども含まれる。
宮内庁関係では書陵部、三の丸尚蔵館、正倉院事務所の3施設が対象外となる。とくに書陵部は7世紀から19世紀の古文書など約40万点のほか、作成から3年以上たった行政文書を保存。天皇陵の関係資料をはじめ、歴史研究には貴重な文献の宝庫とされ、情報公開法を使って文書発掘を準備する動きもあった。
宮内庁によると、書陵部は「大学院生以上の研究者」という利用制限を4月1日からなくし、一般の希望者でも文書の閲覧や複写ができるようになる。研究者の利用は従来通り。行政文書のうち、情報公開法で保存しなければならないと定められた期間内の書類は各課に戻したという。これは法に基づく請求の対象となる。
ただ、保存期間を過ぎても重要な文書は「歴史的資料」として書陵部に大量に残る。宮内庁はこの総数を明らかにしていない。このうち文書目録に記載されるのは当面、数千件に過ぎず「目録にない文書は閲覧させない」方針だ。
情報公開法施行令は、法の対象外となる施設には、所蔵品の目録の整備、だれでも利用できるような規則づくりなど4条件を義務づけた。総務省は書陵部について「1、2年で目録が整備されないなら、法の趣旨に反する」と指摘するが、宮内庁は整理が終わる時期について明言していない。目録に載らないまま、非公開が続く文書がありそうだ。
[2001-03-29-03:14]