<私大>4人に1人が平均180万円の借金で入学費用を工面
毎日新聞ニュース速報
首都圏の私立大に昨春入学し、自宅以外から通っている学生の親は、4人に1人が平均180万円の借金をして入学費用を工面していることが12日、東京地区の私立大教職員らで作る「東京私立大教職員組合連合」(委員長、吉田克明・日本大教授)の調査で分かった。親の仕送り額は月平均で11万9300円と4年ぶりにやや増加したが、半額は家賃に消え、学生が生活費を切り詰めている実態が浮き彫りになった。
調査は、東京、神奈川、千葉、栃木の各都県にある私立大・短大計26校の父母らを対象に、昨年5〜6月に郵送のアンケートで実施し、7600枚を回収(回収率14・3%)した。
新入生が入学した年にかかる費用は、受験料や入学金、新生活のための生活用品の購入費に、その年の仕送り額まで含め、自宅外通学者で321万円(前年度比0・8%増)となり、4年ぶりに増加した。自宅通学者は147万円(同0・4%増)だった。大学への納付金や住居費が増えたためで、自宅外通学者では、世帯の平均税込み年収(1028万6000円)の31%を占めている。
月平均の仕送り額も11万9300円と前年度比1・4%増となった。一方、家賃は月5万9600円と前年度に比べ4・2%増加し、仕送り額に占める割合が初めて50%になった。これに伴い、仕送り額から家賃を除いた学生の生活費は、5年連続で減り、過去最低の5万9700円となった。
新入生の家庭では、24%が入学のための費用を「借入金」でねん出しており、借入額は平均で160万円にのぼった。自宅外通学者に限ると、借入をしている家庭が27%、借入額は181万円だった。新入生の家庭の9割以上が「負担が重い」と答えている。
奨学金を希望する家庭は62%と過去最高になり、自宅外通学者の家庭では68%と7割近い。
吉田委員長は「長引く不況で家計の負担は限界にきている。私学助成の増額を求める国会請願署名運動を4月から始めたい」と話している。 【澤圭一郎】
[2001-03-12-20:00]