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『北日本新聞』コラム 天地人 2001年3月9日付
2001.3.10 [he-forum 1711] 北日本新聞3/9
『北日本新聞』コラム 天地人 2001年3月9日付
かつて三・七、今は七・三。富山県の県立高校普通科と職業科の定員割合はここ四十年ほどの間に逆転した。きのうから始まった入試でも受験生たちの大半が普通科を目指す。
三・七体制は、即戦力になる「産業兵士」を育てようと、県が高度経済成長期に計画した。だが、大学進学熱の高まりから父母らが反対し、企業誘致もうまく行かず、「是正」が進んだ。
大学のほうも「産学協同」が学問の独立を損なうと批判されたことはあった。だが、長引く不況や行革で、国立大学を私学並みに独立行政法人にして、金にならない大学や学部を切り捨てる動きが強まっている。
そんな大学へ二人に一人が進学する。目的や適性がよく分からず、卒業して会社勤めのあと、専門学校へ入り直す例があるそうだ。建築や造園の職人を養成する富山国際職藝学院でもそんな学生が目立つという。手に職をつければ独立でき、住宅や家具、庭園を作り上げたときの喜びが大きいからか。
国内の工場がアジアへ移転し、産業の空洞化が深刻だ。KSD汚職ですっかり有名になった「ものつくり大学」だが、モノづくりの復権は時代の要請でもある。どんな仕事に就くのが幸せか、受験期は親子であれこれ考える季節。こ
の家族会議は日本の産業構造のあり方をも左右するかもしれない。