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<特報・文部科学省>「名誉教授」の条件緩和 象牙の塔脱却
2001.2.28 [he-forum 1686] <特報・文部科学省>「名誉教授」の条件緩和 象牙の塔脱却 (毎日新聞)

<特報・文部科学省>「名誉教授」の条件緩和 象牙の塔脱却


毎日新聞ニュース速報


 文部科学省は27日、長期間同一大学に勤務した教授が受ける「名誉教授」の肩書について、「特に功績があった」教員なら勤務年数にかかわらず名誉教授になれるよう学校教育法を改正することを決めた。同省は大学教員の学校間や企業との人事交流促進による大学活性化を目指しており、優秀な教員の処遇が異動が多いことで不利にならないよう配慮する。3月13日の閣議で決定する予定。


 学校教育法は名誉教授の称号授与基準について、「多年勤務し(略)特に功績のあったもの」と定めている。同省は「多年」の定義を20年としてきたが、改正法では「多年」を削除。「5年の勤務でも名誉教授になるのを可能とする」(同省高等教育局)という。同省は「名誉教授の資格は叙勲の根拠にもなっている。授与基準を変えなければ大学間や民間との交流など教員の流動化が進まない」と説明している。


 また同省は、学校教育法に基づく大学設置基準(省令)を改正し、これまで「研究能力」重視に偏りがちだった大学教員の評価について、学生を指導する「教育能力」にも重点を置くよう評価基準を変更する方針も固めた。大学教員はこれまで、研究一辺倒で学生を顧みない教員が評価されることも目立ったが、新基準は各大学にこうした教員より、学力低下が指摘される学生の能力を高めることに力を注ぐ教員を配置することを狙いにしている。


 現行の大学設置基準は「教授の資格」として、博士の学位や、研究上の業績を持つことなどを定めているが、学生に対する指導力にはほとんど触れていない。このため、同省は新基準に「教育能力に業績がある」点を新たに明記、具体的には(1)学生の評価が高い(2)教育への意欲が強い(3)教育研修へ熱心に参加する――教員を評価するよう各大学を指導することにした。
 【吉田 啓志】
[2001-02-28-03:05]


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