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◇東大の技術を民間移転 教官100人が請負会社に出資◇
2001.2.15 [he-forum 1639] 東大の技術を民間移転 教官100人が請負会社に出資(朝日新聞)


◇東大の技術を民間移転 教官100人が請負会社に出資◇

朝日新聞ニュース速報

 東大の理系学部が開発した技術を民間企業に移転するため、東大の理系教官約100人が技術移転を請け負う株式会社(TLO=技術移転機関)に1000万円を事実上出資することになった。欧米に比べて産学の連携が乏しく技術の実用化に後れを取っている。検討中の国立大学の独立行政法人化が実現すれば、外部評価に基づいて、予算や人員の効率化が迫られることから、大学改革に向けた狙いもある。
 出資者のリーダーには、小宮山宏・工学部長が就任する予定。
 東大のTLOとしては1998年、教授2人が1000万円を出資・設立した株式会社「先端科学技術インキュベーションセンター」(CASTI)がある。今回は、東大の先端科学技術研究センターや工学部、医科学研究所、分子細胞生物学研究所などの教官約100人が2月下旬に「CASTI同友会」を設立。会員から会費を集めて、CASTIに出資する。
 当初は、教官が直接CASTIに出資する形態も考えたが、特定の教官の意向がはたらくのを防ぐ目的などから、同友会が出資する形にした。同友会はCASTIの取締役会の運営についての助言もする。
 TLOは、大学の技術が特許を取るに値するかどうかを評価し、繁雑な特許出願や特許使用契約などを研究者に代わって行い、企業から入る特許使用料は大学や研究者に還元する仕組み。「日本の大学には優れた研究素材があるが、欧米に比べビジネス化する仕組みが乏しい」という声があり、大学で眠っている成果を社会に還元するのが最大の狙いだ。
 国立大学をめぐっては、独立法人化に向けて、国の直轄運営から切り離し、予算や人員面で独自の判断で運営していく検討が始まっている。今年度からは第三者機関による評価が始まる。東大は産学連携の推進で、法人化や外部評価にも備えたい考えだ。
 TLOは現在、全国に17あるが、単独の大学の教官自らがこれほどの規模で資金拠出する例は珍しい。
 小宮山工学部長は「TLOは、専門化、細分化した研究を、外部の目にさらすことで、社会に新たな技術を生み出していく有効な手段の1つだ。その支援は大学を活性化させることにつながる」と話している。
[2001-02-15-08:41]

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