93%が「ひやり」経験 国立大病院の看護職員
共同通信ニュース速報
国立大病院の看護職員の九三%が、あわや医療事故というミスやニアミスを経験していることが六日、全国大学高専教職員組合(全大教)のアンケートで明らかになった。若い職員もベテランも九○%を超えており、国立大病院の危うい実態を裏付けた。
全大教は「事故が続いた後も実効性のある対策が取られていない。職員不足も解消されず、現場は常に余裕がない」と、事故の背景を指摘している。
調査は昨秋、四十二の国立大病院のうち、二十一病院の看護婦・看護士を対象に実施、約四千九百人が回答した。
ミスやニアミスを経験した年代別割合は、二十六―三十歳が九六%と最も高かったが、三十一―四十歳が九四%、四十一―五十歳も九二%と、経験を積んでいるはずの世代でも九○%を超えた。
ミスの内容の分類はしていないが、全大教によると注射や点滴の際の患者、薬品の取り違えが多いという。
受け持ち患者に関する情報が不十分なまま仕事に入るケースは「よくある」と「時々ある」を合わせ六五%。引き継ぎの際の情報伝達が不十分な実態が浮かび上がった。
注射や点滴は、二二%が「準備の際、複数職員でのチェックをしていない」とし、四六%が「しない場合もある」と認めた。ほかの用事で準備が中断することも「よくある」「時々ある」が計八二%に上った。
事故対策として何が必要か複数回答で聞いたところ「個人の自覚」を指摘する意見が八○%で最多だったが、「看護婦の増員」七七%、「病棟構成の改善とベッド数の削減」四五%と、勤務条件の改善を求める声も強かった。
過去五年間に妊娠・出産した看護婦のうち五四%が切迫流産などの異常を経験、勤務の過酷さを示した。
(了)
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医療事故の危険 大半の看護職員が感じる
NHKニュース速報
病院の医療事故が相次いでいますが、国立大学病院に勤める看護職員の三人に二人が、受け持つ患者の情報を十分に把握しないまま仕事についた経験があって、職員のほとんどが医療事故が起きる危うさを感じているという調査がまとまりました。
これは、国立大学の教職員などでつくる全国大学高専教職員組合が、去年十月に国立大学病院の半数の二十一の病院の看護職員を対象に調査したもので、およそ五千人から回答がありました。
それによりますと、毎日の仕事量について九十四パーセントが「繁雑でゆとりがない」あるいは「どちらかといえばゆとりがない」と、仕事の忙しさを訴えています。
具体的には、受け持つ患者の情報を十分に把握しないまま仕事に入ったことが「よくある」「時々ある」という看護職員が、合わせて六十五パーセントにのぼったほか、入院患者が緊急に看護職員を呼び出しても詰め所にだれも待機していないことが、「よくある」「時々ある」と答えた職員も六十九パーセントいました。
そして全体の九十五パーセントが「医療事故はだれにでも起こりうると思う」と答えていて、医療事故が起きる危うさを働く職員自身が感じていることがわかりました。
国立大学病院の看護職員について文部科学省は、平成十三年度、全国で七百七十人余りを増やす方針ですが、全国大学高専教職員組合は看護職員のいっそうの増員と労働条件の改善を働きかけていくことにしています。
(アンケート結果)
毎日の仕事量について、繁雑でゆとりがない52%、どちらかといえばゆとりがない42%、ゆとりがある4% ナースコールなどが鳴っている時詰め所にだれもいないことがある、 「よくある」29%、「時々ある」40%、「まれにある」12%、「ない」7% 受け持ち患者の情報を十分に把握しないまま仕事に入ることがある、「よくある」21%、「時々ある」44%、「まれにある」22%、「ない」8%
[2001-02-06-17:35]
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看護職員の9割、ミスやニアミス経験=いつも疲れているが
時事通信ニュース速報
◎看護職員の9割、ミスやニアミス経験=いつも疲れているが3割−労組調査 大学病院の看護職員の9割以上が医療ミスやニアミスを経験、3割近くが「いつも疲れている」と感じている―。全国の国公立大学病院の職員で組織する全国大学高専教職員組合病院協議会が6日まとめた調査で、こんな看護婦(士)の実態が明らかになった。
調査は昨年9月から10月に実施。全国立大学病院看護職員の28.5%に当たる21病院の4937人から回答を得た。それによると、「これまでにミスやニアミスを起こしたことがあるか」との問いに、93.4%が「ある」と回答した。
[時事通信社]
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<看護職員>93%が医療ミス、ニアミスを経験 国立大学病
毎日新聞ニュース速報
国立大学病院の看護職員の93・4%が、医療ミスや患者に被害を与える事故寸前の「ニアミス」を経験していることが6日、全国大学高専教職員組合(全大教)病院協議会のアンケート調査で分かった。
同協議会は5年ごとに看護職員の労働実態を調査しているが、医療事故に関する調査は初めて。全大教の組合がある24大学の看護職員約9000人を対象に昨年9〜10月に実施し、うち21大学4937人が回答した。42施設ある国立大学病院の看護職員総数の28・5%に相当する。
患者が看護職員を呼ぶナースコールや医療器具の警報装置が鳴った際、ナースステーション(職員詰め所)に誰もいないことが「よくある」と28・5%が回答した。「時々ある」(40・2%)と合わせると、7割近くに上った。
ニアミス例が目立つ注射を準備・実施する際、複数の職員で点検しているのは28・1%にとどまり、「したりしなかったりの場合がある」(46・1%)、「していない」(22・3%)が多数だった。
業務量が多過ぎたり複雑過ぎたりしてパニックに陥ることは、16・1%が「よくある」、43・9%が「時々ある」と答え、職員に精神的な負担が大きいことが浮き彫りとなった。
また、「いつも疲れている」と回答した職員が28・8%もおり、全大協は「疲労回復を可能にする看護職員の増員が、最も有効な医療事故防止策」と指摘している。 【長尾 真輔】
[2001-02-06-19:45]
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看護婦(士)93%がミス体験…国立大病院
読売新聞ニュース速報
国立大病院に勤務する看護婦・看護士の93%が医療ミスやニアミスを経験していることが六日、全国大学高専教職員組合病院協議会が発表した調査結果でわかった。人手不足や疲労の蓄積が医療事故を招きやすくなっている現状が浮かんだ。
四十二の国立大病院のうち二十一病院で昨年九―十月に調査、約四千九百人が回答した。それによると、94%が「毎日の業務でゆとりがない」と回答。「業務が多く複雑で、パニックになることがあるか」との問いに、16%が「よくある」、44%が「時々ある」と答えた。「ナースコールが鳴ってもナースステーションにだれもいないことがある」69%、「患者の情報を十分把握しないまま仕事に入らざるを得ないことがある」65%、「注射準備中に別の仕事で中断されることがある」82%など、事故につながりかねない実態が日常的にあることも分かった。
一方、医療ミスが続発し、防止策が検討され始めた九九年度以降、「ミスが減った」としたのはわずか10%。「変わらない」が49%で、「増えた」も8%あった。
人事院は、看護婦らの夜間勤務について「月八日以内」を基準としているが、それを超える者が54%に上った。さらに13%は一か月間の超過勤務が「四十時間以上」とした。こうした実態から、29%が「いつも疲れている」、27%が「起床後も疲れが残る」と答えるなど、慢性的疲労感を訴える者が大半だった。
文部科学省は新年度、国立大病院の看護職員を約五十人、非常勤職員を約七百七十人を増員する計画だが、同協議会では「計画通りでも一病棟で一人増えるかどうか。根本的解決にはならない」としており、六日、看護職員増員を求める約三万五千人分の署名を衆参両議長あてに提出した。
[2001-02-06-20:53]
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回答者の9割が「事故」の経験 看護職員アンケート
朝日新聞ニュース速報
国立大学付属病院に勤務する看護職員を対象にしたアンケートで、慢性的な人手不足が医療事故に結びつきかねない現状にあることが明らかになった。全国大学高専教職員組合(委員長=和田肇・名古屋大教授)が昨年9―10月に集めた調査結果を6日、発表した。
回答を寄せたのは全国42ある国立大学付属病院(看護職員総数・1万7300人)のうち21病院で働く看護職員4937人。20代後半の看護婦らが4分の1を占めた。
医療事故について聞いたところ、「事故やニアミスを起こしたことがある」と答えた職員は全体の93%。「ナースコールや人工呼吸器の警報が鳴ったとき、ナースステーションにだれもいないことがありますか」との問いには、3割が「よくある」、4割が「時々ある」とした。
看護業務にかかわる事故などでは、注射や点滴にかかわる投薬ミスの多いことが厚生労働省研究班の調査で分かっている。そのため調査では、薬剤を入れるなど注射を準備しているときに、ほかの用事で呼ばれて中断させられ、注意力を欠いていないかを点検した。
回答では「よく中断する」「時々中断する」があわせて81%を占めた。
同組合は「国立大学病院は、公立、私立大学病院に比べても看護職員らの人手が少ない。看護婦2人の夜勤体制では、患者の急変に対応しきれず、事故に結びつく恐れがある」としている。
[2001-02-07-10:03]