独行法反対首都圏ネットワーク


   国立大学法人の枠組についての試案


             国立大学協会
             設置形態検討特別委員会
             委員長  長 尾  真


国立大学協会設置形態検討特別委員会は昨年7月発足以来、今回まで9回の討議を重ねて来た。その間に扱ったテーマは多岐にわたる。一方、この特別委員会の下にもうけた4つの専門委員会でも設置形態の詳細を検討して来た。今後さらに検討を進めてゆくためには、今後の国立大学のあるべき形態の検討とともに、仮に国立大学が法人格を取得した場合にも教育・研究の質の向上、国際競争力の強化や地域貢献につながるものとなる枠組について、現時点での特別委員会の意見の集約をすることが大切であり、これまでの委員会での議論、および2度にわたる各委員・専門委員からの意見の集約を行い、この試案を作成した。


1.大学の名称は国立大学法人○○大学とする。
2.国立大学法人は国が設置し、その経費を国が負担するが、その管理運営は国によって法人格を付与された国立大学自身が行う大学である。
3.法人格の取得によって、大学は自主性・自律性が高まり、個性化とともに教育研究の質が向上するものでなければならず、これを保証する国立大学法人法を独立行政法人の基本的枠組を参考にして作る。
4.一大学一法人とし、法人の長である学長のもとに経営と教学を一致させて運営する。
5.大学の管理運営を適切に行うために、副学長その他の職を置き、学長を補佐する体制を各大学に適した形で作る。
6.大学に評議会を置き、最高の審議機関とする。部局に部局教授会を置き、部局の重要事項を審議する。
7.大学に外部の有識者からなる運営諮問会議を置き、大学に対して助言・勧告を行う。
8.学長の選考は、運営諮聞会議の意見を聞いて評議会が定める選考基準にしたがって評議会が行い、その申し出によって主務大臣が任命する。学長の解任についても同じ。
9.大学の中期的な活動の目標とその目標達成のための具体的な計画は、数年の期間について、主務省と協議して大学が決定する。
10.大学の評価は、計画期間の終了時に、設定した目標に対する計画の達成度を中心に行うが、教育・研究に関しては大学評価・学位授与機構などの機関による多元的評価に基づく。
11.国は、大学の教育研究を維持するために必要とされる運営経費および施設整備費を負担する。運営経費は、計画に記載する必要のない基盤的教育研究経費と計画に記載された事項に関する経費とを含む。
12.計画期間終了時点における計画の効率化による節約分、および外部から導入した資金の余剰については大学が留保し、基金に組み入れる等ができるものとする。
13.国立学校特別会計が抱えている債務を個別の法人に継承させない。
14.大学教職員の身分等については、国家公務員型とし、教員の身分等については、現在の教育公務員特例法の精神を生かし、勤務条件等の弾力化をはかる。
15.大学共同利用機関については、国立大学法人法にそのための条項を設け、国立大学と一律に論じられない点は別途規定する。


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