独行法反対首都圏ネットワーク

国立大学の独立行政法人化をめぐる当面の焦点について

                                                                              2001年1月23日
                              独立行政法人反対首都圏ネットワーク事務局

○国立大学の独立行政法人化をめぐる当面の焦点は、文部省が2001年度中に行うとしている「通則法」の枠内での制度設計である。

○文部省の調査検討会議は、本年4月に中間報告の骨格を作成し、7月には中間報告を出すとしている。さらに2002年3月には最終報告が予定されている。4月の中間報告の骨格は、中間報告や最終報告においても維持されるであろう。それゆえ、この4月から7月にかけて、われわれは極めて重要な時期を迎えると考えられる。

○国大協は、文部省の調査検討会議の日程に合わせて、それに対応した「見解」を3月までに出すための作業を行っているとみられる。第8回設置形態検討特別委員会で確認した「法人格の取得について(メモ)」(いわゆる「長尾メモ」、全文はttp://www.hokudai.ac.jp/bureau/socho/agency/m130110-07.htm)をもとにした「私案」が間もなく検討されるであろう。この検討がどのような性格のものになるか、われわれは注視しなければならない。

○国大協は、この「私案」の検討の先に、「国立大学法人法案大綱」の策定を見込んでいると思われる。他方、これが実現されない場合、いわゆる「25%定員削減」を甘受して、現行の国立大学で残るという選択肢を検討しようという考えもある。

○国大協内部には、「教育公務員特例法は必要なく、学長が教員の人事権を持つべきだ」、とする「学長権限強化派」ともいうべき一定数の学長が存在する。こうした動向に対する徹底的な批判が必要である。

○現在、名古屋大学において「国立大学法人名古屋大学法(仮称)(案)」が作成されており、また東京大学においてもUT21による検討が進んでいる。この検討結果に対しても批判的分析が必要である。

○当面、この3〜4月までの文部省、国大協、各大学の動向が、独立行政法人化問題の基本的方向を決定する重要性を持つことになる。問題の焦点は各国立大学の「生き残り」戦術にあるのではない。この時期にどのような行動を取るかが、今後の高等教育のあり方を決定する分岐点となるであろう。

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