『西日本新聞』2001年1月22日付
教育改革6法案 骨格固まる 文部科学省 通常国会提出へ
文部科学省は今月末召集の通常国会に、教育改革に関連する六法案を提出することを決め、二十一日までに骨格を固めた。(1)小学校などで少人数学級実現(2)高校卒業前でも大学に入学できる「飛び入学制度」の拡充(3)指導に適格性がない教職員を教員以外の職場に配置転換する人事システム―などを盛り込んでいる。昨年末の教育改革国民会議の最終報告に明記された小中高校生の「奉仕活動」についても、複数の法改正によって充実を図る方針だ。
少人数学級の実現に向けては、教諭などの配置を増やせるよう公立義務教育標準法などを改正する。飛び入学は「大学が特に優れた資質を有すると認める者」について可能になるよう学校教育法で拡充を検討。同法については、問題行動児童・生徒の出席停止措置をスムーズに行えるように、「要件」を明確化。同時に、出席停止になった児童・生徒への支援措置を規定する。
地方教育行政組織運営法の公立高校(普通科)の通学区規定を削除し、どの地域からも受験できる「全県一学区」を可能にする。また、国立学校設置法の改正により、現在、省令で定めている国立大学の講座、学科目の種類などを各国立大が決めて独自性を出せるようにする。
奉仕活動の充実に関しては、学校教育法で「小中高校などで奉仕体験、自然体験活動などの体験活動の充実に努める」と規定。奉仕体験、自然体験などの活動を支援するため、独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター法を改め、同センターに設ける基金で活動助成金を支給するシステムにする。
文部省は法案化の作業を急いでおり、与党との詰めの協議を経た上で、二〇〇一年度予算案関連の公立義務教育標準法の改正案など二法案については、二月上旬の国会提出を目指している。