『河北新報』2001年1月15日付
福島・茨城・宇都宮3大学の単位互換協定締結
2002年度から単位互換制度を導入する福島大(吉原泰助学長)、茨城大(宮田武雄学長)、宇都宮大(貴志浩三学長)の国立3大学は17日、宇都宮市の宇都宮大学長室で単位互換協定締結の調印式を行う。
調印式には各大学の学長や事務局長などが出席する。履修できる科目や履修方法、受け入れ学生数など、制度の詳しい内容については4月から検討を始める。
単位互換制度は、他大学で取得した単位を各大学の卒業単位として認定するもので、受講科目の幅が広がるメリットがある。例えば、自然科学系の学部が設置されていない福島大の学生が、ほかの2大学の理工系学部で講義を受け単位を取得できるなど、互いの大学にない学問分野を補完し合うことが可能となる。
福島大学生課によると、講義の形式としては、学生が夏休みなど長期休暇を利用して他大学で集中講義を受けるほか、インターネットや通信衛星を使っての遠隔授業を実施することなどが検討される予定。
独立行政法人化に向けた動きや少子化の進行などで、国立大学を取り巻く環境は厳しさを増している。単位互換制度の導入は、大学同士が連携することで、学生にとって魅力のある大学づくりを促進する狙いがある。県境を越えた国立大同士の単位互換制度については、秋田大、岩手大、弘前大の3大学も、02年度のスタートに向けて検討している。