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長崎大 医歯薬大学院を融合 全国初 チーム医療の拠点へ
2000.1.5 [he-forum 1549] 西日本新聞1/3
『西日本新聞』2000年1月3日付
長崎大 医歯薬大学院を融合 全国初 チーム医療の拠点へ
長崎大(長崎市、池田高良学長)は、医学、歯学、薬学の大学院三研究科を統合した全国初の医療総合大学院「生命医療科学研究科」を二〇〇二年四月に開設する。〇一年度に新設する医学部保健学科の卒業生も受け入れ、幅広い知識を修得した専門家たちによる「チーム医療」の拠点を目指す。すでに文部省に計画の概要を説明し、大筋で了承を得ているという。
計画によると、医療総合大学院は医師、歯科医師、薬剤師や研究者に加え、保健学科一期生が学部を卒業する〇六年度からは看護婦(士)、保健婦(士)、助産婦、理学療法士、作業療法士なども受け入れる。
学生は、それぞれ専門の研究や臨床実習を中心としながらも、医療・介護に携わるスタッフ同士として、共通のプログラムにも参加。医、歯、薬各学部と熱帯医学研究所の教官計約五百人は大学院所属となり、従来の学部の垣根を越えた弾力的な講義・指導に取り組む。
また地域の特性を生かし、歴史的に力を入れてきた(1)放射線被ばく者医療(2)熱帯感染症医療(3)離島医療―は世界第一級の研究を目指す。
少子化に加え、東京大、京都大、九州大など旧帝大が大学院重点化を進めていることを受け、地方大の魅力アップと生き残りを目的に計画。千葉大、新潟大、岡山大が〇一年度から、医学と歯学など二研究科を統合する大学院再編を予定しているが、医療総合大学院は長崎大が初めてになる。
斎藤寛・長崎大医学部長は「従来の医療は医師が中心だったが、二十一世紀は、それぞれの専門家が協力するチーム医療の充実が急務。医の倫理や医療経済学の共通講座を設けるなど、高い知識に倫理を兼ね備えた人材を育成したい」と話している。