無駄な科学技術研究を指摘 総務庁行政監察(朝日新聞)
2000.12.18 [he-forum 1514] 無駄な科学技術研究を指摘 総務庁行政監察(朝日新聞)
無駄な科学技術研究を指摘 総務庁行政監察
朝日新聞ニュース速報
国立の試験研究機関で、意味や必要性がほとんどない研究をしたり、国と地方の研究機関で同じテーマの研究をしたりするなど、多くの無駄があることが、総務庁による行政監察でわかった。なかには「つる状に伸びる植物は日よけに利用できる」という結論をだした研究もあった。同庁は18日、農水省など関係省庁に研究の効率化を求めて勧告する。
行政監察は1998年12月から今年12月の間に実施。科技庁、厚生省、農水省など15省庁、68の国立試験研究機関、14の国立大学に付設する22の研究所を対象に、研究開発の実施状況を調べた。
その結果、意味が見つからないテーマをとりあげた研究や、別々の機関で同じ研究をしていたケースが、農水省の場合は7研究機関で37課題あった。
緊急性、必要性が高いとは認められない研究は4機関5課題。例えば、野菜・茶業試験場施設生産部(愛知県武豊町)は93年度から95年度までニガウリなどのつる性野菜・花き栽培が屋内環境に及ぼす影響を研究。こうした植物を栽培すると「日よけ」になるという結論を導き出した。
国と県の研究機関でテーマが重なっていたのは5機関21課題。
九州農業試験場畑地利用部(宮崎県都城市)は甘しょなどから焼酎(しょうちゅう)を造る際にできる廃液をたい肥化する研究を実施したが、宮崎県の畜産試験場でもすでに同じテーマで同じ素材を使って研究していた。
また、調査した11省庁39機関のうち2省庁5機関は研究開発の評価をしていなかった。実施している機関のうち2省庁11機関は外部に委託しておらず評価の透明性が確保されていなかった。
総務庁は「研究課題の選定にあたっては関連研究の実施状況、研究目的、内容の緊急性などについて十分検討、評価を行うべきだ」と関係省庁に勧告する。
[2000-12-17-23:05]
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