科学技術基本計画案に対する意見募集
2000/12.10 [he-forum 1500] 科学技術基本計画案に対する意見募集
[he-forum 1476] で阿部さんが注意を喚起された「科学技術基本計画案」への意見募集締切は13日です。このような膨大で仔細な計画(41ページ)に対して2週間という募集期間の短さと800字以下という字数制限(ただし、一人が意見を複数出す
ことは可能)は、省庁再編直前とはいえ、科学技術庁の誠意を疑わせます。しかし、
少しでも多くの人が意見を出すことが望まれます。
募集要項:
案は独立行政法人化後に大学にたいして行われる財政的コントロールについてかなり具体的なイメージを与えるもののように思います。
参考までに目次と一部引用を添付します。
辻下 徹
北海道大学大学院理学研究科数学専攻
〒060-0810 札幌市北区北10条西8丁目
TEL and FAX 011-706-3823
tujisita@math.sci.hokudai.ac.jp
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目 次
はじめに..1
第1章 科学技術政策の基本的方向..3
I . 21 世紀初頭における我が国の目標3
1 . 我が国の課題と展望3
2 . 我が国が目指すべき国の姿..4
(1)知の創造と活用により世界に貢献できる国.4
(2)国際競争力があり持続的発展ができる国.4
(3)安心・安全で快適な生活のできる国..5
3 . 科学技術と社会の新しい関係の構築5
(1)科学技術と社会のコミュニケーション..6
(2)産業を通じた科学技術の成果の社会への還元.6
4 . 第1 期科学技術基本計画の成果と課題..7
II . 科学技術振興のための基本的考え方8
1 . 基本方針.8
2 . 政府の投資の拡充と効果的・効率的な資源配分..9
第2章 重要施策の計画的な実施.10
I . 科学技術の重点化戦略.10
1 . 基礎研究の推進..10
2 . 国家的・社会的課題に対応した研究開発の重点化11
(1)ライフサイエンス分野.11
(2)情報通信分野..12
(3)環境分野13
(4)ナノテクノロジー・材料分野14
(5)エネルギー分野..15
(6)製造技術分野..16
(7)社会基盤分野..16
(8)フロンティア分野..16
3 . 急速に発展し得る領域への対応..16
II . 科学技術システムの改革..17
1 . 研究開発システムの改革17
(1)優れた成果を生み出す研究開発システムの構築17
・ 競争的な研究開発環境の整備.17
・ 任期制の広範な普及等による人材の流動性の向上..19
・ 若手研究者の自立性の向上.20
・ 評価システムの改革..20
・ 制度の弾力的・効果的・効率的運用.22
・ 人材の活用と多様なキャリア・パスの開拓..23
・ 創造的な研究開発システムの実現..23
(2)主要な研究機関における研究開発の推進と改革24
・ 大学等.24
・ 国立試験研究機関、公設試験研究機関、独立行政法人研究機関等..25
・ 民間企業.26
2 . 産業技術力の強化と産学官連携の仕組みの改革.27
(1)産学官連携の強化のための情報流通・人材交流の仕組みの改革.27
(2)公的研究機関から産業への技術移転の環境整備28
(3)公的研究機関の研究成果を活用した事業化の促進29
(4)ハイテク・ベンチャー企業活性化のための環境整備29
3 . 地域における科学技術振興のための環境整備30
(1)地域における「知的クラスター」の形成.30
(2)地域における科学技術施策の円滑な展開.30
4 . 優れた科学技術関係人材の養成とそのための科学技術に関する教育の改革31
(1)研究者・技術者の養成と大学等の改革..31
(2)技術者の養成・確保.32
(3)研究者・技術者倫理の確立32
5 . 科学技術活動についての社会とのチャンネルの構築.33
(1)科学技術に関する学習の振興33
(2)社会とのチャンネルの構築34
(3)研究機関・研究者の説明責任34
6 . 科学技術振興のための基盤の整備34
(1)施設・設備の計画的・重点的整備..34
(2)研究支援の充実..36
(3)知的基盤の整備..36
(4)知的財産権制度の充実と標準化への積極的対応37
(5)研究情報基盤の整備.37
(6)ものづくりの基盤の整備.38
(7)学協会の活動の促進.39
III . 科学技術活動の国際化の推進..39
1 . 主体的な国際協力活動の展開39
2 . 国際的な情報発信力の強化.39
3 . 国内の研究環境の国際化40
第3章 科学技術基本計画の着実な実行と総合科学技術会議の役割41
1 . 重点分野における研究開発の推進41
2 . 資源配分の方針..41
3 . 国家的に重要なプロジェクトの推進..41
4 . 重要施策についての基本的指針の策定.42
5 . 評価42
6 . 基本計画のフォローアップ.42
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II .科学技術システムの改革(p17〜)
科学技術システムとは、社会の理解と合意を前提に資源を投入し、人材養成及
び基盤整備がなされ、研究開発活動が行われ、その成果が還元される仕組みで
ある。すなわち、科学技術システムは、研究開発システム、科学技術関係人材
の養成及び科学技術振興に関する基盤の整備からなり、産業や社会とのインター
フェースを含むものである。我が国の科学技術活動を高度化し、その成果の社
会への還元を一層促進するため、投資の拡充とともに、以下のとおり我が国の
科学技術システムを改革する。すなわち、人材や基盤の充実がなされ、質の高
い研究開発が行われ、世界最高水準の研究成果が創出されるようにするととも
に、研究成果の産業や社会への円滑な技術移転や社会への積極的な説明が行わ
れるようにする。
1 .研究開発システムの改革
(1)優れた成果を生み出す研究開発システムの構築
・ 競争的な研究開発環境の整備
創造的な研究開発活動を展開していくため、競争的な研究開発環境を整備する
必要がある。このため、研究者が研究機関の外部から競争的資金を獲得するこ
とに加え、研究機関の内部でも競争的な環境を醸成するなど、あらゆる局面で
競争原理が働き、個人の能力が最大限に発揮されるシステムを構築する。
(a)競争的資金の拡充
研究者の研究費の選択の幅と自由度を拡大し、競争的な研究開発環境の形成に
貢献する競争的資金を引き続き拡充する。その際、競争的資金を活用し世界を
リードしている米国を参考とし、本基本計画の期間中に競争的資金の倍増を目
指す。競争的資金の効果を最大限に発揮させるためには、評価を中心に、以下
の改革が不可欠であり、これを競争的資金の倍増とともに徹底する。
・研究課題の評価に当たっては、研究者個人の発想や能力が評価され得るよう
研究費の制度・運用を改善する。具体的には、単独の研究者がポストドクター・
研究支援者等とともに行う研究を大幅に拡大する。複数の研究者が行うグルー
プ研究においては、明確な責任体制の下で分担して行うようにする。
・一定の研究成果が得られるよう、1 研究課題当たりに研究遂行に必要かつ
十分な研究費を確保し、また、3 〜5 年間程度の研究期間を重視する。
・中間評価及び事後評価を適切に実施し、その結果を運用に反映させる。中間
評価については、必要に応じて、その結果を当該課題の規模の拡大や縮小、中
止等に反映させる。その際に、特に優れた成果が期待される課題については、
より大きな成果に結びつけられるように研究期間の延長を可能とする。また、
中間評価及び事後評価の結果を、次に競争的資金に応募する際の事前評価に活
用できるようにする。ただし、過去に競争的資金の応募実績がない者について
も、公平に機会が与えられるようにする。
・評価過程、評価結果、評価手続及び評価項目が提案した研究者に適切に開示
されるようにする。
・専任で評価に従事する人材として研究経験のある者を確保し、研究課題の評
価に必要な資源を充てるなど、評価に必要な体制を整える。
・課題採択時に研究者の実績等を踏まえた公正かつ透明性の高い評価を行うた
め、研究の進捗状況や成果については定期的に研究者から報告を受け、データ
ベースとして整備する。
・競争的資金を所管する各府省は、その目的にかなう限り、できるだけ多くの
研究者が応募できるよう運用を徹底する。
・競争的資金のうち、研究者個人に直接配分されるものは、原則として、経理
を研究機関に委ねることとして、研究機関が研究費の適切な執行を確保するも
のとする。
(b)間接経費
競争的資金の拡大によって、直接に研究に使われる経費は増加してきた。競争
的資金をより効果的・効率的に活用するために、研究の実施に伴う研究機関の
管理等に必要な経費を手当する必要がある。このため、競争的資金を獲得した
研究者の属する研究機関に対して、研究費に対する一定比率の間接経費を配分
する。
間接経費の比率については、米国における例等を参考とし、目安としては当面
30 %程度とする。この比率については、実施状況を見ながら必要に応じ見
直しを図る。間接経費は、競争的資金を獲得した研究者の研究開発環境の改善
や研究機関全体の機能の向上に活用する。複数の競争的資金を獲得した研究機
関は、それに係る間接経費をまとめて、効率的かつ柔軟に使用する。こうした
間接経費の運用を行うことで、研究機関間の競争を促し、研究の質を高める。
ただし、当該機関における間接経費の使途については、透明性が保たれるよう
使用結果を競争的資金を配分する機関に報告する。
国立大学等については、国立学校特別会計の中に競争的資金を獲得した大学に
間接経費が還元される仕組みを整える。
(c)基盤的経費の取扱い
競争的資金の倍増を図っていく中で、教育研究基盤校費及び研究員当積算庁費
のいわゆる基盤的経費については、競争的な研究開発環境の創出に寄与すべき
との観点から、その在り方を検討する。その際、
・教育研究基盤校費については、教育を推進する経費であるとともに大学の運
営を支えるために必要な経費としての性格を有すること
・研究員当積算庁費については、研究機関の行政上の業務遂行に必要な研究費
としての性格を有することに留意する。
・ 任期制の広範な普及等による人材の流動性の向上
若手研究者は任期を付して雇用し、その間の業績を評価して任期を付さない職
を与える米国等におけるテニュア制は、米国等での研究開発環境の活性化の源
と言われる。我が国も、将来に向けて、このような活力ある研究開発環境を指
向し、30 代半ば程度までは広く任期を付して雇用し、競争的な研究開発環
境の中で研究者として活動できるよう、任期制の広範な定着に努める。また、
研究者がその資質・能力に応じた職を得られるよう、公募の普及や産学官間の
人材交流の促進等を図る。その際、研究者と産学官の研究機関等とのニーズを
合致させることができる「市場メカニズム」が働く環境の形成が重要である。
このため、
・国立試験研究機関、独立行政法人研究機関、国立大学等の国の研究機関等は、
30 代半ば程度までの若手研究者については広く任期を付して雇用するよう
に努めるとともに、研究を行う職については原則公募とし、広く資質・能力の
ある研究者に公平な雇用機会を提供する。国の研究機関等は、任期制及び公募
の適用方針(業務や研究分野等により任期制又は公募を適用できない場合はそ
の理由)を明示した計画を作成するよう努める。研究機関の評価に当たっては、
任期制及び公募の適用状況を評価の一つの重要な観点とする。
・現行の若手育成型任期付任用の任期は原則3
年までとされているが、3 年
では実質的に研究に専念できる期間が短いことが指摘されている。これを踏ま
え、十分かつ多様な研究機会を確保する観点から、若手研究者が原則5
年間
は任期付研究員として活躍できるようにするとともに一定の条件の下に再任も
できるようにするなど、必要な措置を講ずる。その際、業績や能力に応じた処
遇を図れるよう改善を行う。あわせて、大学における任期付教員をはじめとす
る教員の業績、能力等を十分に反映した処遇の改善方策について検討する。
・研究者が多様な経験を積むとともに、研究者の流動性を高めるため、産学官
間の交流や国際交流を重視する。その際、適性に応じて、研究開発のみならず、
行政、産業界等幅広い職で活躍できるような多様なキャリア・パスを確保する
ため、ポストドクターや若手研究者の行政、企業等への派遣を可能とし、促進
する。
・ 若手研究者の自立性の向上
優れた若手研究者がその能力を最大限発揮できるように、若手研究者の自立性
を確保する。このため、
・研究に関し、優れた助教授・助手が教授から独立して活躍することができる
よう、制度改正も視野に入れつつ、助教授・助手の位置付けの見直しを図る。
あわせて、助教授・助手が研究開発システムの中で存分に能力を発揮できるよ
う、研究支援体制の充実、大学等における幅広い視野を持つ創造的人材の育成
の推進など総合的な取組を進める。
・優れた若手研究者が自立して研究できるよう、各研究機関において、研究ス
ペースの確保など必要な配慮を行う。
・競争的資金の倍増の中で、若手研究者を対象とした研究費を重点的に拡充す
るとともに、競争的資金一般においても、若手研究者の積極的な申請を奨励す
る。
・特に優れた成果を上げた若手研究者に対する表彰等を充実する。また、若手
研究者が独立して研究できるよう研究能力の涵養を図るため、ポストドクター
等1 万人支援計画が策定され、これによりポストドクターが研究に専念でき
る環境が構築されてきた。今後は、研究指導者が明確な責任を負うことができ
るよう研究費でポストドクターを確保する機会の拡充や、能力に応じた処遇を
行うとともに、ポストドクターの行政・企業等への派遣や優秀な博士課程学生
への支援充実等を図り、ポストドクトラル制度等の質的充実を図るとともに、
その効果を評価する。
・ 評価システムの改革
研究開発評価は、研究開発評価に関する大綱的指針に従い実施されているが、
競争的な研究開発環境の実現と効果的・効率的な資源配分に向けて、
・評価における公正さと透明性の確保、評価結果の資源配分への反映
・評価に必要な資源の確保と評価体制の整備
大学における任期付教員をはじめとする教員の業績、能力等を十分に反映した
処遇の改善方策について検討する。
・研究者が多様な経験を積むとともに、研究者の流動性を高めるため、産学官
間の交流や国際交流を重視する。その際、適性に応じて、研究開発のみならず、
行政、産業界等幅広い職で活躍できるような多様なキャリア・パスを確保する
ため、ポストドクターや若手研究者の行政、企業等への派遣を可能とし、促進
する。
・ 若手研究者の自立性の向上
優れた若手研究者がその能力を最大限発揮できるように、若手研究者の自立性
を確保する。このため、
・研究に関し、優れた助教授・助手が教授から独立して活躍することができる
よう、制度改正も視野に入れつつ、助教授・助手の位置付けの見直しを図る。
あわせて、助教授・助手が研究開発システムの中で存分に能力を発揮できるよ
う、研究支援体制の充実、大学等における幅広い視野を持つ創造的人材の育成
の推進など総合的な取組を進める。
・優れた若手研究者が自立して研究できるよう、各研究機関において、研究ス
ペースの確保など必要な配慮を行う。
・競争的資金の倍増の中で、若手研究者を対象とした研究費を重点的に拡充す
るとともに、競争的資金一般においても、若手研究者の積極的な申請を奨励す
る。
・特に優れた成果を上げた若手研究者に対する表彰等を充実する。また、若手
研究者が独立して研究できるよう研究能力の涵養を図るため、ポストドクター
等1 万人支援計画が策定され、これによりポストドクターが研究に専念でき
る環境が構築されてきた。今後は、研究指導者が明確な責任を負うことができ
るよう研究費でポストドクターを確保する機会の拡充や、能力に応じた処遇を
行うとともに、ポストドクターの行政・企業等への派遣や優秀な博士課程学生
への支援充実等を図り、ポストドクトラル制度等の質的充実を図るとともに、
その効果を評価する。
・ 評価システムの改革
研究開発評価は、研究開発評価に関する大綱的指針に従い実施されているが、
競争的な研究開発環境の実現と効果的・効率的な資源配分に向けて、
・評価における公正さと透明性の確保、評価結果の資源配分への反映
・評価に必要な資源の確保と評価体制の整備
・ 存続期間を定めた時限的な組織とする。
・ 研究開発の責任者とマネジメントの責任者を分離し、前者には国際的水準の研究
開発実績を有する者を、後者には研究開発と経営の経験をともに持つ者を充てる。
・ 必要充分な管理、技術支援、成果管理等の支援部門を整備する。
・ ポストドクターの大幅な採用も含め若手の人材を中心に据える。
・ 外国人を積極的に登用する。
・ 産学官の各セクターからの参画を募る。
・ 研究開発実績、能力を反映した研究開発資金の配分、給与などの処遇を行う。
・ 資金は弾力的に運用する。
・ 研究開発活動の共通語と言える英語を使用言語とする。
・ 国際水準からみて研究開発に必要な施設を整える。
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(2)主要な研究機関における研究開発の推進と改革
p24 〜
・ 大学等
大学は、優れた人材の養成・確保、未来を拓く新しい知の創造と人類の知的資産の継
承、知的資源を活用した国際協力等様々な面から科学技術システムの中において中心
的な役割を果たすことが求められている。
しかしながら一方で、我が国の大学の現状に関しては、教育機能の弱さ、専門分野の
教育の幅の狭さ、組織運営の閉鎖性や硬直性等の課題が指摘されてきている。
これまで、大学の教育研究の高度化・個性化・活性化という観点から、大学設置基準
の大綱化、大学院の量的整備などの大学改革が進められており、組織運営の面につい
ても、すべての国立大学に学外者で構成される運営諮問会議が設置されたり、第三者
評価機関として大学評価・学位授与機構が創設されるなどの進展が見られる。今後
は、各大学において、こうした制度面での改善を実際の大学運営や教員の意識改革に
つなげ、大学改革をより実効あるものとしていくことが期待される。
各大学においては、学部段階から一貫して課題探求能力の育成を重視した教育を進め
るとともに、先端的・独創的教育研究の拠点としての大学院の整備・高度化の一層の
推進を図ることにより、教育と研究の両面にわたって質的充実を図り、国際的にも魅
力と競争力を高めていくことが望まれる。このため、組織編制の弾力化等により、各
大学が、経済や社会の情勢の変化をも見通しそれに自律的・機動的に対応しつつ教育
研究機能を一層高めることが必要であり、
このような制度の弾力性は、現状において国家行政組織として制度的な制約のある国
立大学にあっては、重要な課題となる。また、各大学において、厳格な自己点検・評
価を実施し、その結果を積極的に公開するとともに、大学の教育研究活動や組織運営
の改革に具体的に反映していくことが求められる。大学は、全国各地域に存在するこ
とから、その利点を活かし、地方公共団体や企業などとの協調・協力関係を強め、地
域における科学技術の発展の中核として積極的に貢献することが重要である。さら
に、大学が、産業界や他の研究機関等との連携・交流を推進しつつ、多様で高度な教
育研究活動を積極的に展開していくことは、大学の教育研究水準を高めていく上で重
要である。
(a)国立大学等
国立大学及び大学共同利用機関については、独立行政法人化に関する検討が進められ
ており、組織運営体制の強化等により、学長凾ェリーダーシップを発揮し、自律的な
運営ができるよう一層の改革を進める。また、卓越した大学院の重点整備を含む大学
院の教育研究の高度化・多様化の推進を行う。公立大学については、地域における高
等教育機会の提供と地域発展のための研究への貢献が求められており、教育研究機能
の一層の強化を図り、各大学が特色ある発展を目指す。
(b)私立大学
私立大学は、我が国の大学の学生数の約8 割を占めるとともに、それぞれ独自の建
学の精神に基づき、特色ある教育研究活動を積極的に展開するなど、高等教育の発展
に大きな役割を果たしており、私立大学としての主体性を生かしつつ、教育研究水準
の一層の向上を図る必要がある。
このため、私立大学については、大学院の充実など教育研究機能を強化する観点か
ら、重点的配分を基調として助成の充実を図るとともに、多様な民間資金の導入を促
進するための所要の条件整備を行う。
・ 国立試験研究機関、公設試験研究機関、独立行政法人研究機関等
国立試験研究機関、独立行政法人研究機関、特殊法人研究機関等では、政策目的の達
成を使命とし、我が国の科学技術の向上につながる基礎的・先導的研究及び政策的ニ
ーズに沿った具体的な目標を掲げた体系的・総合的研究を中心に重点的に研究開発を
行う。また、地方公共団体に設置されている公設試験研究機関は、地域産業・現場の
ニーズに即した技術開発・技術指導に重要な役割を担っている。科学技術に対する経
済社会の期待が高まる中、これら公的研究機関に対し、優れた成果の創出と社会への
還元がより一層強く求められる。このような状況にかんがみ、以下の取組を強化す
る。...