20大学近くが予備校頼み 入試問題外注で 原案点検の委託
2000.12.10 [he-forum 1496] 20大学近くが予備校頼み 入試問題外注で 原案点検の委託
(共同)
20大学近くが予備校頼み 入試問題外注で 原案点検の委託
共同通信ニュース速報
来春の大学入試問題の作成請負を表明した大手予備校「河合塾」(名古屋市)に対し、二十校近くの私立大学が発注し、これとは別に数校が、自校で作った問題にミスがないかチェックを委託していることが九日分かった。
文部省は入試の公平性や問題漏えいを懸念し、民間の受験産業への外注は避けるべきだとしているが、入試業務の負担の重さなど、苦しい事情を抱える大学が「渡りに船」と飛びついた形だ。
河合塾側は「あくまで、ここ数年みられた悪問を入試からなくすのが狙いだが、今後も発注は増えると思う」と話している。
同塾によると、発注した大学はすべて四年制。試験科目の一部を発注したケースが大半だった。地理歴史と理科が最も多く、ほかに数学や英語もあった。中には試験問題全部を発注する“丸投げ”も
あった。
発注した大学側の多くは、小論文や面接など入試の多様化に伴う担当教員の負担増大や教養部の廃止などで、問題を作成できる教員が不足する状況にあった。
「高校でどこまで教えているのか分からず、適正に作成できるか不安」と申し込んできた大学もあった。
作成料は一科目当たり百万―二百万円。同塾は作成専門の会社を発足しており、出題内容や難易度など大学側の要望に合わせ問題と正解を作成する。印刷は大学側。
河合塾の請負表明に対し、文部省は五月末、全国の国公私立大に「外部の協力を得るのは機密性、公平性の観点から十分慎重に対応するべきだ」と通知、外注には事実上「待った」をかけていた。
同塾側は「関与するスタッフを限定し、出題者には大学名を伏せ
ている。漏えいがあった場合、出題者に高額の罰金を科すなど守秘義務を完全にした」と説明している。
(了)
[2000-12-10-09:38]
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