ネット授業で単位取得…大学審答申(読売)
200.11.23 [he-forum 1437] ネット授業で単位取得…大学審答申(読売)
ネット授業で単位取得…大学審答申
読売新聞ニュース速報
文相の諮問機関、大学審議会(会長・鳥居泰彦慶応大学長)は二十二日、新世紀の高等教育の方向や大学入試改善策など三点について文相に答申した。高等教育については、閉鎖的な日本の大学の教育・制度を国際標準化し、「世界での競争力を高めることが
重要」としたうえで、通信制なら全単位を、通学制でもおよそ半数をインターネット授業で取得可能とする大学の「バーチャル化」や、教員の教育能力重視を打ち出した。
文部省は今年度中にも必要な法令改正を行う。一方、大学入試については、「やり直し」のきくシステムを目指し、センター試験の資格試験化や年二回実施などを提言したが、異論も多いため、関係者の協議の場を設置するとした答申は、国際競争力強化へ向けた大学教育の改革視点として〈1〉「グローバル化時代」を担う人材の質を向上する教育の充実〈2〉高度で多様な教育研究〈3〉情報通信技術の活用〈4〉大学組織の改善――などを指摘。教養教育の重視や、教授らの「教育力」の向上、創造性・独創性豊かな若手研究者の育成、閉鎖的になりがちな「講座制」の弾力化を求めた。
このうち、これまで研究能力のみが重視されがちだった大学教授や助教授については、資格条件を定めた大学設置基準の改正要綱を示し、教育能力に優れた人材を登用することとした。
また、電子メールで学生を指導できるなど環境が整っていることを条件に、通信制大学では、すべての単位をインターネットをはじめとする「遠隔授業」で取得可能とした。これまでは二十単位は対面授業での取得が条件だった。また通学制の大学でも、百二十四単位中六十単位まで認めた。
大学入試については、今春公表した「中間まとめ」に沿い、センター試験を「一月に加え十二月にも実施」「一点、二点にとらわれず、資格試験的運用を推進する」などを提言した。
しかし、大学側からは「事務負担が大き過ぎる」と、高校側からは「十二月実施は高校教育に影響し、受験生にも負担」と声があがるなど異論が多かったため、協議の場を設置するとして事実上後退した。
[2000-11-22-22:27]
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